「ブルートレインの機関車を再現しました」←コイツで!? にじみ出る“コレじゃない感”に鉄道ファンがグッとくるワケ その狙い

大井川鐵道が自社所有の電気機関車を「国鉄色」、それもブルートレインの牽引機に徹底的に似せて塗り替えました。しかし、明らかに“国鉄じゃない感”も滲み出ています。これこそがファンの心をがっちり掴むポイント。狙いを聞きました。

あ、あり得ない編成だ…!

 国鉄色に塗り変えられたE34は、3月30日の新金谷14時29分発103列車「かわね路3号」から補機運用に就いています。

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大井川鐵道のSL列車を牽引するC10形8号機。補機として電気機関車を編成後部に連結して運転することがある(遠藤イヅル撮影)

 そこで筆者は4月2日に大井川鐵道を訪問しました。まずは新金谷駅へ。家山駅を11時10分に発つ新金谷行きSL急行「南アルプス2号」をお出迎えです。

 これまで大井川鐵道のSL列車は、下り列車が終点に着くとSLを逆向きに付け替える「機回し」を行ない、上り列車の先頭もSLを連結していましたが、現在は、上り列車は補機の電気機関車がそのまま客車とSLを牽引する「EL急行」として運転されています。そのため、新金谷駅に来るSL列車の先頭は、電気機関車となるのです。

 やがて遠くから国鉄色の機関車を先頭にした列車がやってきました。E31形の前面には、2分割の前面窓やオデコに2つの前照灯を構えており、貫通扉を持たないEF65 形と多くの共通点が見られることから、遠目ではほんとうにEF65 P形が走ってくるよう。目の前を過ぎて駅に入っていくE34は、思った以上にブルートレイン牽引機の貫禄を持っていました。お見事!

 それを実現しているのは、細部の徹底したこだわり。直流電気機関車、しかも特急色そのものの色味と塗り分けを再現しているだけでなく、車体前面には「ED31 4」の切り抜き文字も貼られています。正しい形式はE31形ですが、国鉄の電気機関車に見せるため、軸数4=Dを付与して、架空の機関車「ED31形」に仕立ててあるのです。

 EF65 形には備わるものの、本来のE31形が有していない「追加装飾」も見ものです。運転席窓下にある、機関車がどこの機関区に配置されているかを示す「区名札」、前面の銀の飾り帯、車両の前後表示である「エンド標記」まで貼るというこだわりようです。鉄道ファンが色めき立つのも無理はありません。

 この日はその後も、桜が咲き誇る美しい里山を駆け抜けるE34の姿を追いかけました。E34の次位に連結される、日本ナショナルトラストが所有する往年の特急用三等客車「スハフ43形」はブルートレインと同じ配色ですが、実際にブルートレインとしての運転やEF65形に牽引された歴史はなく、さらにそれ以外の客車も国鉄時代には存在しなかった「トーマス用」のオレンジ色で組成されていたため、列車全体がまさしく「自由形」の世界。鉄道模型で楽しむような編成がリアルで見られる楽しさに、ワクワクが止まりませんでした。

【えーー!!】これが「元の電気機関車」&塗装の元ネタです(写真)

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コメント

2件のコメント

  1. そーです、そーです。アタクシは50台後半、ツボですw

    蒸気機関車が現役で走っているところは記憶がなく、小学生だったころのブルトレブームの主役はEF65のP型。当時はとくにP型って呼ばれず、ブルトレ=コレ!って時代でした。

    アタクシは関西人なんで、大阪初は何故かEF58牽引がほとんどでガッカリしたもんでしたw。

    そして模型。まだNゲージも今のように全盛ではなく主力はHOゲージ。でも「ホンモノ」の「EF」なんて高くて高くて買ってもらえず、我が家にも有りましたよ「EB」と「ED」が(笑)。鳥塚社長の洞察力には恐れ入ります!m(_ _)m

  2. Bトレの1分の1やろ!