「世界初の独自開発超音速ジェット機」に施された“珍外装”、どんなもの? 実用旅客機ではいち早く「トレンド」に
超音速旅客機「オーバーチュア」の実用化を目指すアメリカのブームの実験機、「XB-1」が、新しい素材を機体に着けて飛んでいます。どのような効果があるのでしょうか。
なぜ民間航空で「超音速サメ肌外装機」はいなかった?
今回、XB-1が試験を行ったのは、オーストラリアの企業が開発したフィルムでした。2024年秋以降、「世界初の独自開発超音速ジェット機」であるXB-1の機体後部下面の、一般の塗装が施されたか所と、塗装がされずチタン合金の部分それぞれに、面積が0.5平方mのリブレット加工が施されたフィルムが張られたのです。

リブレット加工は旅客機や軍用輸送機で試験は続いていますが、マッハを超えて飛ぶ民間機はほぼないため、超音速飛行での試験は行われていませんでした。このため、「かつてないスピードを出しながら環境に負担をかけない」ことを設計の主眼に挙げているブーム社の試験機、XB-1でのテストにつながったのです。
XB-1は8回目の実験飛行から、リブレット加工をしたフィルムを張って臨みました。2025年1月と2月の第12回と第13回の実験飛行ではそれぞれマッハ1.122、1.18を出し、着陸後後、機体後部に張られたフィルムの状態を確認しましたが、目に見える劣化や機体表面からフィルムが浮き上がったなどの変化は確認されなかったということです。
実際の超音速商業飛行は長時間、音速を超えて飛ぶため、リブレット加工にどれほど耐久性があるかは、より詳細で時間をかけた実験が必要です。それよりも日常的に飛ぶ旅客機の方で、機体全面にリブレット加工を施す際の費用や耐久性に加えて、フィルム加工と塗装のどちらが優れているかを確認していかなければならないでしょう。
とはいえ、超音速商業飛行への期待は「コンコルド」の退役以降も根強くあります、今後、ブームがどのような実験を行うか、業界内で関心が寄せられています。
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