ナビが突然「海の上」!?「首都高・山手トンネル」で自車が“暴走する”ワケ 日本一の長さが招く“目隠し”の限界
首都高の山手トンネルを走っていると、カーナビ上の自車位置が突然あらぬ方向へ飛び、海の上を走っていたりしませんか。なぜここだけ別格に狂うのか、その仕組みと理由に迫ります。
GPS無しで走る「目隠し状態」の限界
クルマで首都高速の中央環状線(C2)山手トンネルを走行中、ふとカーナビを見ると、自車位置が地上を走っていたり、あるいは地図上の何もない空間をさまよっていたりすることがあります。
ほかのトンネルでは問題ないのに、なぜ山手トンネルだけこれほどナビが狂いやすいのでしょうか。
その最大の理由は、このトンネルが「長すぎる」点です。
山手トンネルの長さは、約18.2kmにも及びます。これは道路トンネルとしては日本一の長さであり、世界でもトップクラスの長さを誇ります。
かつては世界2位と紹介されてきましたが、近年は海外でさらに長い地下道路が整備されるなどしており、評価の仕方によって順位が変わったりするものの、驚異的な規模であることには変わらないでしょう。
そもそも、カーナビはGPS用の人工衛星が発する電波を受信して、三角測量の要領で自車位置・現在地を割り出していますが、分厚いコンクリートや土に覆われたトンネル内では、この電波が届きません。
では、なぜトンネル内でも普段はナビが問題なく動くのかというと、クルマ自体が「自律航法」を行っているからです。
これは、タイヤの回転数から距離を計算する「車速パルス」と、クルマの向きの変化を検知する「ジャイロセンサー」の情報を組み合わせ、「たぶんこれくらい進んで、こっちに曲がったから、今はこの辺りにいるはず」と推測で地図上を進む機能です。
いわば、目隠しをした状態で、自分の歩数と曲がった感覚だけを頼りに地図をなぞっているようなものです。
数百m~数km程度の一般的なトンネルであれば、入口までの正確な位置情報とこの推測機能で、出口まで大きなズレなく走り抜けることができます。
しかし、山手トンネルのように18km以上も続くと、ハナシは別です。目隠しをしたまま18kmも歩き続ければ、どんなに感覚が鋭い人でも、少しずつズレが生じて、最終的にはまったく違う場所にたどり着いてしまうでしょう。
これが、山手トンネルでナビが狂う「誤差の蓄積」という現象の正体です。ただ、ほかにも要因があります。





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