「みどりのおじさん」の仕事はオイシイの? 「駐車監視員」は誰でもなれるのか

2008年の制度施行以来、特に都市部の街中で見ない日は無いといっても過言ではない駐車監視員。一見すると割の良い仕事にも思えますが、実際にはどのような条件で募集されているのでしょうか。

基本的に誰でも資格を取れる

 どこからともなくやって来る駐車監視員。2006(平成18)年の道路交通法改正を経て、2008(平成20)年に制度が施行された当初は、ドライバーと駐車監視員との間で少なからずイザコザなども起こり、ネット上では制服の色にちなんで「ミドリムシ」といった悪名がつけられることもありました。

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「ミドリムシ」という悪名がつけられることもあった駐車監視員。でも意外と仕事内容は良いのかも…?(画像:写真AC)。

 駐車監視員は常に2人コンビですが、なぜかお互いに私語を交わす場面は見かけません。街中を巡って違法駐車を見つけては粛々と写真を撮影し、違反認定書類を作り、フロントガラスに違反シールを貼る……主な業務はこれのみ。企業内の面倒臭い人間関係のトラブルもなければ、動き回ることで日々の運動不足解消にもなり、そしてなんだか仕事が安定していそう。

「駐車監視員の仕事って意外と良さげじゃね!?」と思った筆者、どうなったら駐車監視員になれるのかを調べてみました。

 駐車監視員は、警察から業務を委託された民間企業に所属しており、正式な公務員ではありません。ただし、公務員と同等の業務を行うことから「みなし公務員」的な存在となっており、取り締まりはもちろん警察のガイドライン通りの業務を行います。あくまでも「駐車監視」「取り締まり」に特化した業務ですが、一般応募者の間口は広いです。

「俺、駐車監視員になりたい!」と思った場合、以下のいずれかの講習コースをまず受講する必要があります。

(1)駐車監視員資格者講習コース……一般応募者の多くが受ける講習

(2)認定考査コース……道路交通法の法令規定違反の取り締まりなどに関わる事務経験を3年以上の実績のある人向けの講習

 (2)は、主に警察勤務のリタイヤ組などが多い講習コースです。一方、(1)の間口は実に広く、「18歳未満」「アルコール中毒者」「覚せい剤中毒者」などは受講できず、もちろん「暴力や犯罪行為をする人は受講できない」となっています。

 ただし、その判断基準についての公示はフワッとしています。例えば「前科10犯」「しかも半分が覚せい剤取締法違反。さらにもう半分が道路交通法違反」というような人物が、現在こそ真っ白の状態だったとしても(1)を受講できるかどうかの公示はイマイチ不明瞭です。おそらくは、こういった犯罪歴がある人物が「受講希望」を申し込んだ場合、警察が個別に面談し断るのではないかと推測します。

 ちなみに(1)の講習は2日間で、約14時間。実施時期は年に数回、ふいに告知されることが多く、駐車監視員を志す場合、常に情報更新に注目しておく必要があります。

 駐車監視員になるためには、前述の「講習コース」を受けるわけですが、さらに「修了考査」というマークシート式のテストを受ける必要があります。50問のうち45問以上の正答で合格となります。

 見事、修了した後は、各都道府県公安委員会から「駐車監視員資格者講習修了証明書」が交付されます。これを元に「駐車監視員資格者証の交付申請」を行い、交付後に前述の警察から業務を委託された民間企業に所属し、業務を行うことになります。

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