関西有数の温泉街と観光地を連絡 “課題だらけの現橋”に代わる兵庫の新「城崎大橋」5月開通
兵庫県道9号豊岡竹野線の新しい城崎大橋が、2025年5月に開通します。
路線バスも運行開始
兵庫県は2025年4月23日、県道9号豊岡竹野線の新しい城崎大橋が、5月31日(土)に開通すると発表しました。

県道9号は、県北部・但馬(たじま)地方の豊岡と竹野を東西に結んでいます。
途中、豊岡市城崎町で円山川(まるやまがわ)を渡る現在の城崎大橋は、1956(昭和31)年の架橋から70年近くが経過。老朽化はもちろん、幅は4.5mと狭く、重量制限は10tで大型車や大型観光バスは通れず、さらに橋脚の間隔が10mと短いため洪水時に流木が引っかかり落橋や周囲への浸水の恐れがあるなど、課題を多く抱えていました。
そのため、下流側に新しい橋を架ける事業が2005年度にスタート。事業費約236億円(うち橋梁部約191億円)、長さ562m、幅11.25m、橋脚5基で、新しい城崎大橋がこのたび開通を迎えます。
道路は2車線(片側1車線)とゆったりとした歩道で整備され、大型車も歩行者も快適に円山川を渡れるようになります。
全但バスは、城崎温泉駅~玄武洞公園~豊岡駅を結ぶ新路線「城崎豊岡玄武洞線」の運行を6月1日に開始。観光バスも移動距離が短くなり、近畿有数の名湯として知られる城崎温泉と、天然記念物「玄武洞」の周遊性が向上します。
5月31日は、午前に開通式を開催。そして16時に橋と前後のアクセス道路の計2kmが開通する予定です。
なお、開通に先駆けて、5月25日(日)のローイング兵庫県高校総合体育大会で、新・城崎大橋の歩道の一部が応援場所として開放されます。
また、現在の古い城崎大橋は、2025年秋から撤去が始まります。
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新しい城崎大橋の先では、城崎温泉の街並みを迂回する県道9号「桃島バイパス」の事業が2023年度から進められています。総事業費は43億円。事業期間は2032年度までです。
道路は延長1.4km、幅員10.0m。途中、JR山陰本線と同じように長さ700mのトンネルを掘り、温泉街を通らずに円山川から鋳物師戻(いもじもどし)峠や竹野方面へ抜けられるルートを整備します。
現在の温泉街を通る県道9号(現道)は幅が7mと狭いため、東行き(円山川方面)の一方通行に変更。これにより両側の歩道を0.75mから2mにそれぞれ大幅に拡幅し、城崎温泉を象徴する「そぞろ歩き」の安全性を高めます。
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