JALにスゴいサービス出現! 「2路線限定で超安く”当日旅客便飛び乗り”OK」なぜ? 背景には”切実な事情”か

JALが期間限定で、国内2路線に限り、今までは搭乗日の1日前までしか購入することのできなかった「セイバー運賃」において、当日購入でも利用できるサービスを展開します。なぜ2路線に限り、こういったサービスが展開されるのでしょうか。

羽田~伊丹線、羽田~小松線限定で設定の「2つの背景」

 まず、羽田~伊丹・小松線は、前者は東京~新大阪間、後者は東京~金沢間の新幹線と競合するという点です。

 それぞれ乗車・搭乗時間という面では航空路線が新幹線の半分以下と圧倒的に軍配があがるものの、新幹線は“飛び乗り”が可能で、指定席は東京~新大阪間が1万5200円、東京~金沢間が1万4380円と、JALの「フレックス」運賃と比べると圧倒的にコストパフォーマンスが高いわけです。

 さらに出発地~空港~目的地間の移動、保安検査通過時刻などを逆算すると「であれば新幹線でいいじゃん……」となるのは想像に難くありません。

 そうしたことから、2路線において「セイバー運賃」の当日予約を受け付けることで、新幹線のほうが有利だった“飛び乗り”を、JAL便でも喚起したいという狙いがあると見てよいでしょう。また、利用者にとっても、出発地・目的地によってほぼ同価格帯のコストで2都市間を移動できるので、利便性も高そうです。

 また、大阪では2025年4月から日本国際博覧会(大阪・関西万博)が開催されており、この“オトクな飛び乗り運賃”が設定されている期間は2都市間の移動ニーズが高まっています。小松空港はJAL便にとって、「令和6年能登半島地震により観光需要の落ち込みが見られる北陸地域」(同社の公式サイトより)の玄関口です。

 この時期に「セイバー運賃」の当日予約が設定されたのは、前者は「高需要期に対応していく」、後者は「運賃の選択肢を広げることで旅行需要を喚起できる」という狙いがあると見られます。

【画像】超違う! これがJAL「デフォで買える運賃vs1日前に買える運賃」価格差です

Writer:

国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。

最新記事

コメント