「東名の守護神」だった神奈川の「非凡パトカー」ご存じか? 60年経つも元気! 裏には知られざる苦労が

一見同じように見えるパトカーも、実はさまざまな車両がベースとなっています。かつては、子どものころにあこがれたスーパーカーがベースになったレアなパトカーもありました。東名を時速200kmで駆け抜けたパトカーはどんな運命をたどったのでしょうか。

最高速度は200km/h。暴走車両を逃さない!

 2025年4月20日に神奈川県藤沢市の神台公園で「のりもの×交通安全フェスタ」が行われ、その中で珍しい警察車両が展示されていました。それはドイツのクラシックカー「ポルシェ912クーペ」をベースにしたパトカーです。

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「のりもの×交通安全フェスタ」に展示された「ポルシェパトカー」特徴的なフォルムは来場者の注目を集め、見学者が絶えることは無かった(布留川 司撮影)。

「ポルシェパトカー」は当時のポルシェの日本総代理店だった三和自動車(のちのミツワ自動車)が4台を製作し、愛知、京都、神奈川、静岡の警察に寄贈したそうです。今回展示された車両は1968年に神奈川県警に配備されたものになります。

 車両には、無線機や回転灯などが架装されており、それらを含めると市場価格は375万円(当時)にもなったとか。当時のサラリーマンの平均年収が約63万円であったことを考えると、どれほど高価だったかがわかります。

 このような高級車をパトカーとして導入したのは、日本における自動車交通の発展が大きく影響しています。同車が配備された1960年代は、全国で高速道路の整備が進み、そこの交通量が増加したことにより、取り締まりが可能な高性能車と、抑止力となるためのパトカーが必要だったのです。

「ポルシェパトカー」の最高速度は200km/hで、この高速性能を活かして高速道路での取り締まりに使われました。展示された神奈川県警の車両は、東名高速での取り締まり中に時速178kmで暴走する車を検挙したこともあるそうです。

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