ETC大規模障害「料金を“還元”します」に対応一転 でも「無料ではありません」って?? NEXCO中日本 決断の真相
ETC大規模システム障害中に通行した人に高速道路料金の後日精算を求めていたNEXCO中日本が方針を一転、利用者に料金を還元することとなりました。なぜこのような決断に至ったのでしょうか。
でも「無料」ではありません!
同社はシステム障害の対応として、料金所の無線通信の電源を切断して、ETC通信を終了することで事態の収拾を図ろうとしました。しかし、その周知は充分に浸透せず、一部の料金所では電源を切断しませんでした。そのためETC通信が正常に成立した車両と、成立せずに利用区間が不明となった車両の2つのケースが発生しました。

さらに「後日支払い」を呼びかけ、約3.9万人の利用者が支払いに応じました。その中にはETCシステム障害時に正常に通信が成立したにも関わらず、後日支払いのウェブサイトで決済をしたケースもあり、二重払いになっている可能性があります。
こうしたケースでの解消を図るために、利用者全体で利用料金の返還を行う決断をしました。
ただ、中井俊雄保全企画本部長は「無料ではない。通行料金を請求した上で還元する」と、話します。
その上で「後日支払い」のウェブサイトは閉鎖し、利用区間の利用者は請求を行わないことも明らかにしました。
車載器を搭載しない現金車にも、ウェブサイトでの申請を前提に払い戻しをします。
現状で通行料金が未払いの利用者は推定約51万台。還元などの対象となる利用者は約45万台。かかる費用は約6億円を見込んでいます。
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。
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