ホンダがガチで考えた「セールスをしないショールーム」そのスゴさって? 謎の水が飲み放題、3月で閉鎖
ホンダ本社にある「Hondaウエルカムプラザ青山」は、「セールスをしないショールーム」の先駆けとして知られていましたが、3月末に休館しました。どのような施設だったのでしょうか。
「宗一郎の水」と呼ばれるものがあった!?
ほかにも、地震を始めとした災害時の備えとして、ビルの地下にカナダ産ヒバの大樽2つに飲料水が貯水されていて、災害時の飲料水としても役立つように考えられていました。なお、カナダ産ビバを使用したのは、カルキ臭さを取ることができるからです。ちなみにこの水は「宗一郎の水」と呼ばれ、災害時以外にも来場者が自由に飲める水となっていました。

働く環境としてのこだわりもあります。オフィススペースには柱がなく広々とした印象になっています。これは、ホンダのM・M思想(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)が現れたもので、「人のためのスペースは最大に、メカニズムのためのスペースは最小に」というホンダのクルマ造りへの理念が本社ビルにも用いられているのです。
ほかにも多くのこだわりがありますが、交通事故への配慮や災害時に人に危害を加えることなく、人の役立つようなこだわりは自動車メーカーらしいこだわりが溢れていると感じさせられます。
そんなHonda青山ビルはこれから建て替え工事をし、2030年度の完成を予定しています。これまでのビルが持っていたHondaフィロソフィーやMM思想は継承していくそうです。そこに、環境・安全・対話・発信・持続・調和の6つの思想を取り入れたものにしていくとのこと。ホンダの環境技術を採用したり、事業変化に対応できるフレキシブルな設計を採用するそうです。
約5年間、Honda青山ビルとはしばしのお別れですが、5年後どんなふうにホンダのこだわりが溢れたビルとして進化して帰ってくるかを楽しみに待っておきましょう。
Writer: 西川昇吾(モータージャーナリスト)
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体、ファッション誌などで、新車情報からカスタムかー、旧車、カーライフお役立ちネタまでクルマに関して幅広く執筆。自身でのレース活動も行っている。
コメント