「料金は“30円”です」マジで!? NEXCOの高速道路なのに? 日本最安? 激安区間の“カラクリ”
NEXCO管轄の高速道路なのに、時間帯と車種によっては「30円」という破格で利用できる区間があります。なぜ、これほど安い料金が生じるのでしょうか。
たぶん日本の高速「最安区間」かな?
ある日、高速道路の料金所を出たところ、ちょっと耳を疑うアナウンスが。「料金は、50円です」――。

これは、圏央道の「圏央厚木IC」から、「厚木PAスマートIC」までを使ったときに現れた料金です。じつは道を間違えて圏央厚木ICに入ってしまい、1.1km先の「厚木PAスマートですぐ出られる!」と思って出たら、このアナウンスに面食らってしまいました。
50円は普通車の料金ですが、軽・二輪車なら40円。さらに深夜割引時間帯は、普通車も40円となり、軽自動車なら「料金は、30円です」――おそらくこれがNEXCOの高速道路では最安の料金区間と思われます。
なぜ、これほど安い料金が生じるのか。いくつか疑問もわきます。
こうした短区間利用は首都高などで知られますが、それでも最低料金は普通車で300円。というのも、1回あたりの利用に、鉄道の初乗り料金に相当する「ターミナルチャージ」が含まれているからです。
しかし、実はこのターミナルチャージ、NEXCOでは東名高速などの「高速自動車国道」なら適用されるものの、圏央道のような「一般有料道路」は距離料金のみで設定されています。しかも、2014年以降は、消費税対応のため50円刻みの料金設定から10円刻み料金の設定が可能になったので、「30円」という料金も生じるようになりました。
実はもう一つある「普通車50円」区間
ただ、実は「普通車50円」「軽・二輪40円」という区間はもう一つ存在します。それが「第三京浜」の玉川IC-京浜川崎IC間(東京都・神奈川県境)2.2kmのみの利用です。ほぼ“多摩川の橋の渡し賃”ともいえるもの。
しかし、こちらには深夜割引が適用されないので、「30円」は現れません。なぜなら第三京浜は、もともと安い料金体系のため、深夜割引の適用除外路線とされているのです。
もっとも、京葉道路の篠崎IC-京葉市川IC間(東京都・千葉県境)のように、あくまで「無料ではない」ものの、現地条件から歴史的に「料金を徴収していない」という区間もあるので、一概に日本最安とも言い切れないかもしれません。
ちなみに、厚木PAスマートICは圏央道の側道ともいえる相模川沿いの道に、圏央厚木ICはその一段高いところを並行する国道129号に接続しています。両ICは一般道でも行き来は可能なので、“コスパの高さ”でいうと、第三京浜の多摩川区間に軍配が上がるでしょう。
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