「ガリガリガリガリ…できた!!」現場で再生コンクリートを製造可能なクルマが登場 その性能とは
奥村組開発の「リ・バースコンクリート」を製造可能な車両。
固定式から自走式になることで用途が拡大
総合建設会社の奥村組は2025年5月7日、自社で開発した「リ・バースコンクリート」を車両架装式の移動式コンクリートプラント(通称:モービル車)で製造する実証試験を実施したと発表しました。

リ・バースコンクリートとは、建物解体時などに出たコンクリートを破砕機により破砕後、粗骨材(コンクリートの原料となる砂利)と同程度の寸法に破砕し、表面洗浄などの2次処理をせずに全て骨材に再利用するという、再生コンクリートを製造方法となっています。
元々、解体現場で発生したコンクリートがらは99%以上が道路などの基礎素材である再生砕石(さいせき)などに再資源化されています。
しかし、再生砕石の主な用途である盛土や道路の新設工事は減少傾向にあり、一部の地域ではコンクリートがらの受け入れが停止されているケースも見受けられてるということで、解体コンクリートを現場内でリサイクルすることで、新たな骨材の搬入を減らすと共に、環境負荷も低減することを目的に開発されたのが、このリ・バースコンクリートです。
これまでリ・バースコンクリートを製造するには、専用の製造装置である「リ・バース号」という固定型のバッチ式プラントを設置する必要があったため、使える現場は限られていました。
そうした不便な点を改善するために開発されたのがモービル車で、今回の実験により車載された装備・設備で従来の製造方法と同等の品質を確保できることを確認したとのことです。
モービル車が実用化されると、リ・バース号よりも設置面積が小さくなるほか、必要に応じて自走しての移動も可能になり、様々な現場に対応することができます。
ほかにも、コンクリートを打設(固まってないコンクリートを枠に入れる現場作業)するタイミングにあわせて、施工場所の近くでリ・バースコンクリートを製造できるので、運搬コストも抑えられる利点があるほか、必要な数量だけ製造することも可能であり、材料のロスを低減することができます。
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