勢いづく韓国、見えてきた次期国産戦闘機「KF-X」の性能は? ぬぐえぬ懸念も

韓国産次世代戦闘機「KF-X」、想定性能は? 「スパホ」「ラファール」が参考に

「KF-X」の開発における最大の課題は、韓国の航空機メーカーには「戦闘機用エンジン」と「火器管制システム(主にレーダー)」を開発、実用化する技術が存在しないということです。

 そのため、エンジンはアメリカのジェネラル・エレクトリック社製「F414」を双発搭載することが決まっています。このF414はすでに戦闘機用エンジンとして実績があり、特にアメリカ海軍などが導入している戦闘機ボーイングF/A-18E/F「スーパーホーネット」がF414を双発搭載しているため、「KF-X」の推定性能を測るうえでひとつの目安になるでしょう。

「KF-X」の機体規模は全長15m級と、「スーパーホーネット」よりもひと回り小さく軽くなる見込みなので、兵装搭載力や航続距離は「スーパーホーネット」以下、飛行性能は「スーパーホーネット」以上になると予想できます。また、「KF-X」にはレーダーに映りづらくするステルス性能が盛り込まれますが、レーダー乱反射を防ぐためにミサイルなどを機内に収納する「ウェポンベイ(兵装庫)」が想定されておらず、アメリカ空軍などが採用する戦闘機F-22やF-35のような高度なステルスにはならないものと思われます。

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ミサイルなどを機内に格納することで、高いステルス性能を獲得しているF-35(画像出典:アメリカ空軍)。

 また「KF-X」では国産できない火器管制システムを開発するため、フランスのタレス社が参画。タレス社は同国の戦闘機ダッソー「ラファール」の「RBE2レーダー」を開発した実績があります。よっておそらく「KF-X」が搭載する火器管制システムは、RBE2の派生型を中心としたものになるでしょう。

 現代戦闘機のドッグファイト(格闘戦)は飛行性能ではなく、搭載する各種電子機器やそれを制御するソフトウェアの優劣で決定するという見方に立てば、その点で「KF-X」は「ラファール」にかなり近い能力になることが見込まれます。なお、ここでいう「ラファール」とは現在の「ラファール」ではなく、性能向上が続けられる10年後、20年後の「ラファール」を意味します。

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