まだ生きてたよ「新京成」意外なところにも… 新生「京成松戸線」結局いったい何が変わった?
新京成電鉄が京成電鉄に吸収合併されて「京成松戸線」が誕生してから早2か月……現地はどのような変化があったのでしょうか。現地に名残を訪ねました。
ホームに残っていた「新京成の生き証人」
京成松戸線となった北習志野駅を改めて訪れてみると……確かにありました、白くなった自販機が。京成津田沼寄りにあった「しんちゃん電車(8000形8502編成)」版はパネルを撤去するだけで済んだのか、どこでも見かけるシンプルな自販機群となっていました。
一方、松戸寄りの8800形版は、2台の自販機を真っ白な箱が囲うような状況になっています。よく見るとわずかな凹凸が……。これは行先表示器が描かれていた部分の模様。どうやら8800形のデザイン上に白くラッピングした様子で、この下にはかつてのピンク電車が眠っていそうです。
もう一つ確認したかったのは、鎌ヶ谷大仏駅の自販機です。前回訪問時には8900形のパネルやパンタグラフは撤去されており、角部と2番線側に残るペイントを見るに終わっていました。果たして、あれも消去されてしまったのでしょうか。覚悟を決めながら鎌ヶ谷大仏駅のホームに降り立ちます。
当該の自販機を見てみると……なんと、当時のペイントはそのまま残っていました! 北習志野駅から電車形の自販機が消えた今、最も「新京成らしさ」を残すポイントの一つかもしれません。さらに、ここに残るのは8900形の旧塗装。まさに「新京成の生き証人」とも言えるでしょう。
前述の通り、いよいよ京成カラーに変更された車両も登場しそうなので、これらがどう変化していくかも見守っていきたいところです。
ちなみに、京成津田沼駅の新津田沼寄りにある踏切は進行方向指示器が二つあり、「京成」と「新京成」の文字が貼られていましたが、現在は「本線」と「松戸線」に変わっていました。ただ、システム自体は変わっていないようで、今も複数の方向が表示された際に一つの方向が表示を終了すると、警報音が倍速になります。慣れた人には騒がしいだけかもしれませんが、ちょっとおもしろいこの光景。機会があったら見てみてください。
Writer: 和田 稔(鉄道ライター)
幼少期、祖父に連れられJR越後線を眺める日々を過ごし鉄道好きに。会社員を経て、現在はフリーの鉄道ライターとして活動中。 鉄道誌『J train』(イカロス出版)などに寄稿、機関車・貨物列車を主軸としつつ、信号設備や配線、運行形態などの意味合いも探究する。多数の本とNゲージで部屋が埋め尽くされている。
新津田沼駅を出て前原方面に向かって最初の踏切(駐輪場の近く)に設置されている踏切注意の看板には「新京成電鉄」が残っています