なぜ「酷道」は存在する? 走行リスク抱える一方“命綱”の役割も ダム建設で一新した例まで
「国道」といえば立派な道を想像しますが、中には「酷道」と揶揄される道も。なぜ存在するのかという歴史的背景から、その知られざる役割、安全走行の要点、そして国道418号に見る最新の動向までを解説します。
国の道なのに…「酷道」が生まれた背景
「国道」と聞けば、多くの人が整備された幹線道路を思い浮かべるでしょう。しかし、その看板を掲げながら、およそイメージとはかけ離れた道が存在します。
自動車1台がようやく通れるほどの極端な狭隘(きょうあい)区間、未舗装のダート路面、落石や崩落が頻発する急峻な山道。これらは、自動車愛好家などから国道を揶揄し、「酷道(こくどう)」と俗称されています。
このような道が、なぜ県道や町村道になることなく法的に「国道」として存在するのでしょうか。その背景には、戦後の道路行政、特にふたつの大きな法改正と政治的判断が関わっています。
ひとつは、1965(昭和40)年の道路法改正です。この時、それまでの「一級国道」と「二級国道」という明確な等級区分は廃止され、「一般国道」へと一元化されました。
そして「酷道」誕生の決定打となったのが、1993(平成5)年に行われた国道の大量指定です。このとき、整備が不十分な多くの都道府県道や林道が、一斉に「国道」へと昇格しました。
この背景には、地方自治体と国(当時の建設省)の「思惑の一致」があったとされています。地方自治体側には、道路整備の財源負担を軽減するため、国の補助金交付対象となる「国道」への昇格を望む強い動機がありました。
いっぽう国側には、全国的な幹線道路網の「ミッシングリンク」を地図上で解消したいという意図があったといわれています。
この結果、物理的な整備状況が「国道」の基準に達していない道路が、法的に「国道」として組み込まれました。





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