実は珍しい「池袋‐新宿の西武バス」ますます激レアに どんな人が乗ってる? 5月廃止の系統に乗ってみた

西武バスが、路線パスの「宿20」系統を減便するほか、「宿20-1」を廃止します。これらは池袋駅を発着する西武バスでは珍しい路線です。今回、廃止を間近に控えた「宿20-1」に乗りました。

「宿20」が単独で走る区間はどこ?

 目白五丁目バス停は、西武池袋線の椎名町から南へ500mほどの場所に位置します。西武新宿線の下落合駅や中井駅、都営大江戸線の落合南長崎駅や中井駅からも歩いて1km弱の距離にあるほか、関東バスの「宿02」系統(新宿駅西口~丸山営業所)、都営バスの「白61」系統(新宿駅西口~練馬車庫・練馬駅)などの路線も目白五丁目を通っています。

「宿20-2」はここで終点ですが、「宿20」はこの先、南長崎一丁目交差点を左折して山手通りを南下し、中井富士見橋という陸橋で西武新宿線中井駅を跨ぎます。この付近の山手通りは都営大江戸線や首都高速中央環状線が地下に整備されるとともに、地上の山手通りも広い歩道を備えた道路に改装されました。

 この先の中野坂上交差点(東京都中野区)で山手通りを左折して青梅街道に入り、道なりに東進して新宿大ガードの手前で右折すると新宿駅西口に至ります。地下鉄の路線でいえば、都営大江戸線に乗って中野坂上で丸ノ内線に乗り換えて新宿に向かうイメージです。新宿駅西口では、時計回りにラケット状の路線を描いて折り返しています。

「宿20」の単独区間は目白五丁目~中野坂上間ですが、この区間の大半は都営大江戸線が地下に並走しています。中野坂上~新宿駅西口間は、丸ノ内線に加えて、「王78」(新宿駅西口~王子駅)や「宿91」(新宿駅西口~新代田駅)といった都営バスの系統も設定されています。

 このように「宿20-1」が走る池袋~目白五丁目間、「宿20」単独となる目白五丁目~中野坂上間、中野坂上~新宿間ともに、他のバスや鉄道の代替路線が確保されています。そうしたなかで、西武線にとっても二大ターミナルがある池袋と新宿を結ぶ「宿20」は、平日1往復のみながら維持されることとなります。

【終点どんなとこ?】廃止系統「宿20-1」の終点を見る(写真)

Writer:

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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