鳴り物入りで登場したのに…「日本車キラー」と呼ばれたアメリカ車なぜ消えた?「トランプ大統領よ、勉強して!」
アメリカ車は「売れない」と言われていますが、日本人のニーズに合致すれば人気を掴むことは可能です。過去には単に価格が安いというだけで売れずに撤退していったアメリカ車がありました。
低価格がウリの「日本車キラー」でも太刀打ちできず
「ネオン」の最廉価グレード、「SE」の販売価格は129万8000円(当時)でしたが、これは新車価格の安さをアピールするために装備を大幅に削った仕様で、エアコンなどを備えると149万9000円(同)となりました。

装備を充実させた中間グレードの「LE」が163万9000円(同)、本革シートなどを備えた最上級グレードの「LX」が179万9000円(同)と、同クラスの日本製セダンよりもやや安いプライス。ちなみに日本に正規輸入された「ネオン」は全車右ハンドルでした。
導入当初、「ネオン」の価格の安さに注目した日本のマスコミは「日本車キラー」と称して脅威を煽りました。しかし、もともとこのクルマの出自は、日本の軽自動車のような安価な小型車ということもあり、仕上げや品質の面では同クラスの日本車に遠く及ばず、装備面でもATは3速、空調は上級グレードでもマニュアルエアコンのみ、ABSは中間グレードからオプションで選択可能と、装備面で見劣りを感じる内容でした。
その結果、鳴り物入りで登場した割に初代「ネオン」の販売は低迷、1999年9月に2代目へとバトンタッチします。この2代目モデルは販売グレードを最上級モデルの「LX」に絞り、内外装の品質を向上させましたが、販売価格が215万円に値上げされたことからほとんど話題にならず、2年ほどでカタログから落とされています。
じつは筆者(山崎 龍:乗り物系ライター)は、初代「ネオン」を愛用していた時期があります。購入は2005年頃で、アシに使える安価な中古車を探していたところ、たまたまネットオークションに出品されている「ネオン」を見つけて入札。落札金額は車検が1年半残った状態で5万円でした。
筆者の手元に来た「ネオン」は最廉価グレードの「SE」で、珍しいMT車でしたが、オプションのエアコンは装着されていました。走行距離は約5万kmで、程度は中の上といったところ。車体後部に事故歴があるのを承知で購入しましたが、キチンと修復されていたのでクルマとしての機能に問題はありませんでした。
長年 ❝アメリカが世界の中心❞主義で来たつけだろう。今更むかしの状態に戻すのは無理だと思う。なぜなら、もはや日本の方が技術的にアメリカを上回ってしまったから。アメリカ中心主義から早く目覚めないと、他の分野もどんどん諸外国に後れを取っていくと思う。製造業を軽視してきた事も大きいと思う。