もうすぐJR最古参!? 37年選手のハイパーでスーパーな特急形車両 今も“十分現役”のワケ

JR九州がJRグループとして最初に投入した特急形電車が、783系「ハイパーサルーン」です。185系電車が引退したあとは、JRグループで現役最古参の電車ともいえます。どのような特徴を持っているのでしょうか。

画期的な室内構成

 また、様々な需要に対応するために、各車両の中央にデッキがあることも特徴でした。1車両をA室とB室に分け、A室がグリーン席、B室が普通席とか、一つの車両で指定席と自由席、喫煙席と禁煙席に分けるといった設定がしやすくなったわけです。ただし、乗り心地の良い車両中央部をデッキにする構造は、後の車両にはあまり受け継がれませんでした。

 新世代の特急形電車と感じさせたのは、広い側窓や客室構造だけではなく、豪華な接客設備にもありました。

 グリーン車は座席前後間隔120cmの1+2列配置で、485系の116cm・2+2列よりもずっと豪華でした。肘掛けにマルチステレオ機能、座席背面に3インチの液晶テレビを備えていました。さらに赤い制服の客室乗務員「ハイパーレディ」も乗務したのです。

 普通車も座席前後間隔96cmで、485系より5cm広く、フットレストを備えた回転式リクライニングシートでした。さらに第二次車からは普通車にもマルチステレオ設備が装備されました。

 また、二次車から一部車両のB室に供食設備の「カフェテリア」を設置し、電子レンジを使用した販売も行われました。それ以外にも、カード式の公衆電話や飲料自動販売機も設置され、在来線特急としては画期的でした。

 こうした新機軸を投入した783系は、JRグループ発足翌年の1988(昭和63)年から博多~熊本・水前寺・西鹿児島(現・鹿児島中央)間の特急「有明」に投入されます。西鹿児島行きの速達型は「スーパー有明」(後に「ハイパー有明」)と列車名が分けられ、「スーパーひたち」「スーパーはくと」などの「スーパー」が付く列車名の先駆けとなりました。

 また、水前寺発着便が非電化区間の豊肥本線に乗り入れるために、DE10形ディーゼル機関車と、電源車となる車掌車を専用塗装で連結して、乗り入れたことも意欲的な施策でした。

【豪華!】JR初の特急形「783系」の外観・内装をたっぷり見る(写真)

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