欧州の次世代戦闘機「開発中止!」→日本のGCAPへの参加は「あり得ない」これだけの理由

ドイツとフランスが進めていた次世代戦闘機「NGF」の共同開発が中止となりました。ドイツが日英伊の「GCAP」に合流するとの観測もありますが、軍事ジャーナリストは「可能性は極めて低い」と分析します。

プロジェクトの核「有人戦闘機」の共同開発は頓挫

 ドイツのフリードリッヒ・メルツ首相は2026年6月10日、同国の首都ベルリンで開幕した国際航空宇宙ショー「ILA Berlin 2026」の開会演説で、フランスとの次世代戦闘機共同開発を、今後追求しないことでフランスのエマニュエル・マクロン大統領と合意したことを明らかにしました。

Large 20260613 01

拡大画像

2019年のパリ・エアショーの会場で展示された「NGF」のコンセプトモデル(竹内 修撮影)

 ドイツとフランス、スペインは2019年6月に、第6世代戦闘機「NGF」(New Generation Fighter)と、NGFを中核とする航空システム「FCAS」(フランス語ではSCAF)の共同開発で合意していました。NGFはドイツとスペインが運用しているユーロファイターと、フランスが運用しているダッソー・ラファールをそれぞれ後継するものです。

 しかし、NGFの共同開発計画の合意は難航を極め、2025年初頭ごろから、実現しないのではないかと見られていました。

 今回メルツ首相が明らかにしたところによれば、FCASの「キモ」とでも言うべき指揮統制システム「コンバットクラウド」などの共同開発は継続される見込みで、共同開発を追求しない、すなわち共同開発が中止となるのはNGFだけのようです。

 FCASの中核となるNGFの共同開発計画が中止となったことから、一部メディアではドイツとスペインが、日本、イギリス、イタリアが第6世代戦闘機を共同開発する「GCAP」に合流するのではないかとも報じられていますが、筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)はいくつかの理由で、その可能性は極めて低いと考えています。

「話し合いどころではなくなった」頓挫の理由

 NGFの共同開発が頓挫した最大の原因は、共同開発参加国の企業がどの程度開発と製造を行うかを定めた「ワークシェア」の合意ができなかった点にあります。

 もともと、筆者は2019年6月に開催されたパリ・エアショーの会場で、有人戦闘機すなわちNGFの開発はフランスのダッソー・アビエーションが、有人戦闘機と行動を共にする「CCA」(協調戦闘機)の開発はドイツとスペインのエアバスがそれぞれ主導すると聞いていました。

 それから7年の間に何があったのか、本当のところはわからないのですが、エアバスがNGFの開発と製造への関与を拡げることを主張し、それに腹を立てたダッソー・アビエーションが姿勢を硬化して、話し合いどころではなくなったとも言われています。

【だから有人機いらない?】ドイツ関連で次々と登場している「無人機」たち(写真)

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 「日本国としてドイツのGCAPへの参加は、謝絶すべき」との記事内容に対し、見出しが

    日本のGCAPへの参加は「あり得ない」

    とまるで違う内容を伝えているように思えるが…?

記事ランキング

  1. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  2. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  3. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  4. 神奈川県警の“バイクは自転車レーン走るな”投稿にツッコミ殺到! 「自転車にも車にもバイクにも迷惑です」…何が問題に?
  5. 史上最大の軍艦より135mもデカい!? 旧海軍「大和」を凌ぐ『エースコンバット8』の新ボス「陸上戦艦」の衝撃スペックとは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号