え、いなくなってたの!? ダイヤ改正で「サイレント引退」したJR車両3選

2025年3月のダイヤ改正を機に、ひっそりと引退した車両がJR各社にあります。それらはプレスリリースなどで引退が公表されることなく、セレモニーも行われませんでした。今回は3車種を紹介します。

3月15日を最後に引退した車両とは

 JR各社は2025年3月15日(土)、ダイヤ改正を実施しました。この際、プレスリリースなどで公表されることも、鉄道会社主催の引退セレモニーも行われることなく、ひっそりと引退した車両がいくつかあります。

JR東日本 E217系

 JR東日本の横須賀・総武快速線では、2020年から新型車両E235系電車の導入が進められてきました。このほど必要数に達したことで、今まで使用されていたE217系電車の営業運行が終了しています。最後に走ったのは、ダイヤ改正を1週間後に控えた3月8日(土)でした。

 E217系は1994(平成6)年に登場した近郊形電車で、駅間距離が長く、乗客の移動距離も長い路線向けの車両としてつくられました。近郊形ながら扉の数を1両あたり片側4か所に増やしたほか、車内の座席配置はロングシートを主体に通勤形で一般的な配置とすることで、通勤ラッシュ時の混雑緩和を目指しています。さらに2階建てのグリーン車も連結しトイレも備え、車両を増備する過程ではトイレのバリアフリー化も行われました。

 走行機器は、最高速度を120km/hに向上させた一方で、省エネルギーや省メンテナンス化を促進させるための新技術を取り入れたのが特徴です。なお、E217系で導入された仕様の多くは、以後につくられたJR東日本の車両にも継承されており、他車ではよりレベルアップしています。

東海道線も走ったE217系

 また短期間ではありますが、東海道線で使われたこともあります。期間は2006(平成18)年からの約9年で、長らく使われた国鉄型113系電車を置き換えるのに伴い、車両運用の都合上ピンチヒッターとして転用されたのでした。この暫定措置は、上野東京ラインが開業した2015(平成27)年に解消し、横須賀・総武快速線に戻されています。

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ダイヤ改正を前に運行を終了した横須賀・総武快速線のE217系(2020年12月、柴田東吾撮影)

 このほか、E217系では製造後にも細かな手が加えられたことで、登場時と引退間際とでは帯の色や走行機器が変わっています。

若人は知らない?「湘南色」の横須賀線の車両(写真)

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コメント

1件のコメント

  1. 銀釜も定期運用離脱したのでは?