「選択肢なき空爆」は40年以上前も同じだった? イスラエル空軍が行ったバビロン作戦とは

今回のイラン空爆作戦以前にも、2024年10月26日にイスラエルはイランへの空爆を実施しています。その際にはイラク政府から領空侵犯について抗議を受けました。そのイラクも、かつてイスラエルによって自国の核関連施設を攻撃された経験を持ちます。

「イスラエルが核施設を攻撃」は今回だけではない

 2025年6月13日、イスラエルはイランに対して大規模な軍事攻撃「ライジング・ライオン作戦」を実施しました。この作戦はイランの核・軍事施設を標的とし、多数の航空機が参加する極めて広範囲なものでした。

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イスラエル空軍のF-16(画像:イスラエル航空宇宙軍)

 周辺に対立国や敵対組織を多く抱えるイスラエルは、核関連の研究が敵対国で進んでいるという情報をキャッチすると、領空侵犯も辞さず戦闘機を飛ばし、該当施設や関係人物を攻撃する行為をたびたび行っています。これは民族が味わってきた歴史的事情もありますが、基本的に同国は問題が大きくなる以前に、先制攻撃という手段を取ることが多いです。

 今回の作戦以前にも、2024年10月26日にイスラエルはイランへの空爆を実施しています。その際にはイラク政府から領空侵犯について抗議を受けました。そのイラクも、かつてイスラエルによって自国の核関連施設を攻撃された経験を持ちます。

 それが、1981年6月7日に行われた「バビロン作戦」です。これは、イラク・タムーズの原子力施設にあるオシラク原子炉をイスラエルが爆撃した事件で「イラク原子炉爆撃事件」とも呼ばれています。

 当時、サダム・フセイン独裁政権下のイラクが原子炉を軍事転用して核兵器を保有する可能性があるとして、イスラエルはこれを「自衛手段」と主張し、平時に攻撃を実行しました。

【画像】か、完全に破壊されている…これが攻撃を受けた原子炉です

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