「大阪いくより市内を抜ける方が時間かかる」奈良の救世主に? 未完の大幹線「大和中央道」とは
奈良市を南北に貫く都市計画道路「大和中央道」が2024年6月に延伸し、細道だらけのエリアが大きく変わりました。それから1年、この大和中央道がいま、県と市の関係のなかでクローズアップされています。
近鉄の高架化と大和中央道、両立する?
奈良県の山下知事は、5月30日の定例記者会見で大和西大寺駅の高架化に関し、駅の高架化のみを優先する新たな方針を示しました。

当初は平城宮跡をまたぐ奈良線の移設を含めた40年・約2000億円規模の計画が検討されていました。しかし、この壮大な計画は山下知事が就任直後に「待った」をかけ、「大和西大寺駅の高架化のみを行い、平城宮跡内の近鉄線は存置する事業案」を新たに検討する方向で、県・市・近鉄の3者協議を踏まえ整備方針を決定するとしていました。
しかし、2回の協議会を開催したものの、それ以降、奈良市が「時期尚早」として席につかず、協議が停滞しています。そこで県は、高架化のみの実施で20年・約1000億円に抑える案を提示したのです。
山下知事によると、市としては大和中央道の若葉台工区ができれば、大和西大寺駅周辺の混雑は緩和されるので、駅の高架化は必要ないというスタンスだといいます。
「それで西大寺駅のクルマの量が減るとは到底考えられない」と、山下知事は懐疑的です。県は今年度、高架化に伴う交通シミュレーションなどを実施し、市に提示する構えです。
大和中央道と大和西大寺駅周辺の高架化、さらには国が進める京奈和道の整備が進むと、渋滞がかなり緩和しそうですが、その実現にはまだまだ時間がかかりそうです。
コメント