JR東海の初代「新快速」311系ついに引退 東海道線をガラッと変えた? “名古屋の俊足”がもたらしたもの

JR東海の311系電車が2025年6月末限りで引退します。今では当たり前の設備や懐かしい設備、そして東海道本線の名古屋地区の輸送サービス改善など、311系の特徴や果たした役割を振り返ります。

平成元年にデビュー

 2025年6月末限りでJR東海の311系電車の運行が終了します。311系は、東海道本線の名古屋地区で輸送サービスを底上げする車両として登場しましたが、どのような利便性向上をもたらしたのでしょうか。

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2025年6月に引退するJR東海311系。右はJR東海の主力車両313系(柴田東吾撮影)

 311系は、JR東海独自の車両として1989(平成元)年に登場し、同年から東海道本線の名古屋地区で運行を開始した新快速に充当されました。この車両は、ラッシュ時に備えて片側3か所に扉を備えつつ、転換クロスシートとして大半の座席は進行方向を向くように設計されています。

 また、車内にLED式の車内表示器を備えたことも当時としては珍しく、サービスレベルの高い車両として造られました。さらに、カード式公衆電話を設置していたことも特徴です。備え付けの公衆電話はすでに新幹線にありましたが、JR東海の在来線としては初の取り組みでした。しかし公衆電話に関しては、携帯電話の普及もあって後に撤去され、新幹線でもサービスが廃止されています。

 外観のデザインは、車体にオレンジのラインが添えられていますが、これは3扉の車体や転換クロスシートの座席配置とともに、後継の車両にも継承されています。

 311系を開発した頃のJR東海は、ダイヤ改正ごとに名古屋地区の東海道本線で列車本数を増やし、輸送サービスの改善を図っていました。

 1989(平成元)年3月のダイヤ改正では、新快速を新規に設定。日中は、1時間あたり新快速と快速を2本ずつ設定したほか、普通を4本設定されることで、名古屋では概ね新快速ないし快速と普通がそれぞれ15分に1本運転されるようになりました。この運行形態は、現在にも引き継がれています。

 新快速の設定から約4か月後の7月9日には、金山駅(金山総合駅、名古屋市中区・熱田区)が開業して、東海道本線・中央西線と名鉄各線、名古屋市営地下鉄名城線・名港線が接続するターミナル駅が完成しました。この金山駅の開業に合わせて営業運転を開始したのが311系だったのです。

【さよなら】311系の車内とLED案内表示器を見る(写真)

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