山手線の車両基地をもうすぐ“橋が横断!?” 東京「環状4号線」工事もりもり進行中 品川の“海と山”直結!
東京都港区で都市計画道路「環状4号線」の整備が進んでいます。2025年7月現在、JR線の品川-高輪ゲートウェイ間では、広大な鉄道空間を一気にまたぐ橋が姿を現しています。どのような道路になるのでしょうか。
環状4号線の“海側”でもりもり工事!
東京都港区で都市計画道路「環状4号線」の整備が進んでいます。2025年7月現在、JR線の品川-高輪ゲートウェイ間では、京急線やJR車両基地の引き込み線など含めた多くの線路を一気にまたぐ橋が姿を現しています。どのような道路になるのでしょうか。

皇居の外周をゆく環状1号線(内堀通り)から外側へ数えて4番目の環状道路にあたる環状4号線は現在、行き止まりとなっている白金台(目黒通り)から国道1号(桜田通り)、国道15号(第一京浜)を経てJR線や京急線をまたぎ、旧海岸通りまでを結ぶ約2.1kmの延伸事業が進んでいます。
事業は大きく分けて3区間に分かれます。山の上の目黒通り-桜田通り間が「白金台区間」、桜田通り-第一京浜間が「高輪区間」、第一京浜-旧海岸通り間が「港南区間」です。工事が目に見える形で進んでいるのは、京急・JR線をまたぐ鉄道横断部を含む港南区間です。
●鉄道横断部
この鉄道横断部では橋脚設置が全て完了し、あとは橋桁を送り出して架設するのみとなっています。また、線路の東側の港区港南でも、その橋を受けて地上へ接続させるための橋脚・橋台が一部姿を現しています。この港南区間では、今後も現道の車線を切り回して施工ヤードを確保しながら工事が進められます。
●“山の上”でも少しずつ工事が
他方、第一京浜より西側の高輪区間は、第一京浜から見る限り、目立った構造物の工事などが行われていませんでしたが、いよいよ本格化します。鉄道を横断する橋が第一京浜をまたぐ箇所にある「高輪歩道橋」について、東京都は2025年夏頃に横断歩道を設置したうえで、歩道橋の撤去を行うとしています。
高輪区間の用地取得はまだ終わっていない段階ですが、その途中にあった衆議院高輪議員宿舎はすでに撤去済みで、議員宿舎跡に残っている地中の基礎杭を撤去する工事を実施中。今後は道路用地の北と南で宅地造成工事を行い、権利者へ引き渡すといいます。また、道路用地に出入りのための“暫定道路”を設けるとのことで、この議員宿舎跡から高輪区間の工事が本格化していくと見られます。
山の上の高輪区間と、埋め立て地である港南区間は高低差が大きく、橋で一気につなぐため、両区間は一体で整備する必要があります。
●地下鉄と一体整備の「住宅地の区間」は
他方、桜田通り以西の白金台区間は住民説明などをしている段階で、工事着手までは時間がかかると見られます。ちなみに、白金台区間と高輪区間は、東京メトロ南北線の品川延伸(白金高輪-品川)に際して導入空間とされており、道路と鉄道が一体的に整備される予定です。
これまで高低差と広大な線路で分断されていた品川駅周辺の“海と山”を一気につなぐ環状4号線ができると、山手線南側エリアの広域で移動が大きく変わりそうです。従来は考えられなかったようなルートが少しずつ形になってきています。
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