「尻がめっちゃヘン!な型破りヘリ・改」出現か!? 地味すぎた初の“海外披露”…その裏に見えた“思惑”とは

前から見るとほかの小型ヘリと変わらない姿をしていますが、後ろ姿は普通とは明らかに異なる異形のヘリS-97「レイダー」。この“国外初披露”はかなり地味なものでした。この狙いは何だったのでしょうか。

なんで「尻がヘンなヘリ」を地味~な場所に?

 S-97が展示された場所は、多くの来場者が行き交い目立つ会場中央ではなく、出展社が招待客のために設けた「シャーレ」という施設の前。いわばかなり目立ちづらい場所へ、胴体部分の実物大模型とともに展示されていたのでした。

 LMによると、米国外初展示となったのは、欧州で2020年11月より進められている、NATO加盟のフランス・ドイツ・イタリアなど7か国で、2035~40年に更新時期を迎えるヘリの後継機開発プロジェクト「次世代回転翼航空機能力(NGRC)」プログラムのためとのことです。

 とはいえNGRCが対象としているのは中型汎用ヘリのため、重量約5tのS-97は小型すぎます。LMでは「購入国が現れた場合は改良を加える」としていることから、S-97で得た技術成果を活かし、規模を拡大した機体を設計すると見られています。

 こうして見ると、LMがこのような披露方法を選んだのも、一般に広くアピールするよりも、業界関係者が多く行き交うエリアに設置することで、NGRC関係者の見学を優先したと伺えます。こうしたLMの配慮が、今後NGRCへどう影響するのでしょうか。

【写真】すげえ尻…これが「異形のヘリ」驚愕の後部です

Writer:

さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。

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