ご近所さん乗ってた!「レトロ自動車」なぜ消えた? バブル崩壊後に大ブーム きっかけは“巨大テーマパーク”の作業用
20世紀末、バブル崩壊後の日本で突如ブームになったのが、外観をクラシックカーのようにカスタムした、いわゆる「レトロ車」です。ブームはなぜ起こったのか、その後「レトロ車」はどうなったのでしょうか。
バブル崩壊後にブーム来たクルマの「レトロスタイル」
1980年代後半から日本で発生した、いわゆるバブル景気は、1990年に大蔵省(現在の財務省)が土地関連融資の抑制、いわゆる「総量規制」を通達し、日本銀行も引き締めに動いたことで終焉を迎えます。結果、株価は暴落し、永遠に値上がりすると信じられていた地価も下落、加熱していた日本経済は急失速していきました。

しかし、人々の生活にはクルマで遊ぶ程度のゆとりがまだまだありました。そんな時代に突如として巻き起こったのが、のちに「レトロ車」と呼ばれるフロントマスクだけ旧車風に変えた軽自動車やコンパクトカーです。
ブームの下地を作ったのが、バブル絶頂期に日産が相次いで発表した「Be-1」「PAO」「フィガロ」などの「パイクカー」でした。これらモデルは、既存のコンパクトカーのプラットフォームを流用しながら、スペシャルメイドのボディを載せ、内外装を作り込んだ特別仕様車で、その多くが懐古調のデザインを纏っていました。しかし、こうしたクルマは、開発・製造に手間とコストが掛かることから、販売価格はベース車両の2倍近くとなることも珍しくありません。
一方、バブル崩壊後に登場した「レトロ車」は、「パイクカー」のエッセンスだけを拝借し、既存の軽自動車やコンパクトカーをベースに旧車風のフロントマスクに交換するというお手軽な手段で作られました。
当然、開発コストは「パイクカー」よりも安く、新車価格も手頃であったことから、バブル崩壊後の「おカネを節約しながら気軽に個性的でオシャレなクルマに乗りたい」との人々のニーズに合致してブームになったといえるでしょう。
この「レトロ車」ブームの嚆矢となったのが、1993年に登場したスバル「サンバーディアス クラシック」でした。
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