戦闘機の名門が「船」自衛隊に提案中!? 日本にピッタリかもしれない北欧サーブの高速戦闘艇とは 「日本で作って輸出」もアリ?
中国の軍事力増強を背景として離島防衛能力を高めている自衛隊ですが、現在の舟艇の装備群には、能力的に欠けている部分もあります。その穴を埋める装備を、スウェーデンのサーブが自衛隊に提案しているといいます。
仮に採用されたとしたら…自衛隊はこうやって運用するかも
仮に自衛隊がCB-90を採用するとなった場合、どのような形での運用が想定されるのでしょうか。まずは、冒頭でも触れた離島防衛における活躍が期待されます。

たとえば、九州南方から台湾北東まで広がる南西諸島は、大小合わせて約200もの島々から構成され、大型船舶では兵員や物資を陸揚げできないような小さな島も多数あります。CB-90ならばそうした島々まで迅速に展開し、部隊の上陸・撤収を単独で実施することができます。
また、比較的大きな島における作戦であっても、主力上陸部隊に先立って展開する偵察部隊や特殊部隊による上陸・撤収を支援することも可能でしょう。さらに、平時においても、たとえばレーダーやESM装置などを搭載して東シナ海などを遊弋(ゆうよく)することで、警戒監視や情報収集を行いつつ、大規模災害時には海上もしくは河川から救援活動を実施することもできます。
上記の内容は主に陸上自衛隊における運用を想定したものですが、海上自衛隊においても幅広い活用が考えられます。たとえば、平時から有事にかけての港湾地域における警備活動や、洋上での警戒監視活動などはもちろん、「特別警備隊(SBU)」による活用も考えられそうです。
SBUは、1999(平成11)年に発生した能登半島沖不審船事件の教訓を受けて、2001(平成13)年に設立された海上自衛隊の特殊部隊です。おもに、洋上を航行する船舶に対する移乗や強襲などを任務にしているとされています。現在、SBUの移動手段はRHIBもしくは海上自衛隊のヘリコプターですが、これにCB-90が加わることで、より幅広い海域での活動が可能になると考えられます。
たとえば、平時における不審船事案への対応はもちろん、有事の際にも、軍用品を輸送している疑いのある貨物船などに対する停船検査や回航措置といったことを、護衛艦などの支援なしにCB-90単独で実施可能となります。こうして部隊としての活動の自由度が高まるのもメリットでしょう。
つまるところ、CB-90は「輸送もできる汎用プラットフォーム」として、部隊のワークホース的に運用されることが想定されるというわけです。
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