戦闘機の名門が「船」自衛隊に提案中!? 日本にピッタリかもしれない北欧サーブの高速戦闘艇とは 「日本で作って輸出」もアリ?

中国の軍事力増強を背景として離島防衛能力を高めている自衛隊ですが、現在の舟艇の装備群には、能力的に欠けている部分もあります。その穴を埋める装備を、スウェーデンのサーブが自衛隊に提案しているといいます。

北欧の高速艇が日本で注目されるワケ

 中国による軍事力の拡大を背景として、自衛隊はおもに東シナ海における離島防衛を念頭に置いた防衛力の整備を進めています。 2025年7月10日には、佐賀県に陸上自衛隊佐賀駐屯地が開設され、今後離島防衛の要であるV-22「オスプレイ」が順次配備されます。

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サーブが開発した高速戦闘艇CB-90。ロンドンのテムズ川を疾走している(画像:サーブ)。

 海上輸送力の拡充も急ピッチで進められており、最近では陸海空自衛隊の共同部隊として「自衛隊海上輸送群」が設立され、小型・中型級輸送艦の配備も開始されています。また、陸上自衛隊には離島防衛の専門部隊である水陸機動団が存在しており、同部隊では水陸両用装甲車のAAV-7や、高速航行が可能な複合型ゴムボート(RHIB)が運用されています。

 こうした水上機動が可能な装備品は順次、自衛隊において配備・運用が開始されていますが、それぞれには当然、一長一短があります。輸送艦は多数の車両や兵員を輸送できても、航行速度が遅く柔軟な運用はできません。RHIBは高速で移動できるものの、防御力はなく、単独で行動できる範囲にも限界があります。他方で、防御力と火力に勝るAAV-7も、機動力と行動範囲にやはり制限があります。

 そこで、火力・防御力を伴い、かつ高速で長距離を単独機動できるプラットフォームがこれに加われば、さまざまな場面での活躍が期待されます。その目的にピッタリな装備品を、北欧スウェーデンの大手防衛関連企業であるサーブが自衛隊に提案中だといいます。それが、高速戦闘艇「CB-90」です。

 CB-90は、高速で機動可能な汎用艇で、沿岸部での監視任務から河川警備、兵員・物資輸送まで幅広い用途に投入可能です。船体はアルミ製で、最高速力は時速45ノット(85km/h)以上、航続距離は約550kmを誇ります。

 船内には人間工学に基づいて設計された兵員室があり、18名を収容可能。船首部のハッチから陸地に直接兵員を上陸させることができるほか、統合型戦闘管理システムを搭載しているため、遠隔操作銃塔(RWS)や各種の監視用器材、電子戦支援装置(ESM)なども搭載可能です。

 また、CB-90はサーブがゼロから自社開発した装備であるため、顧客ごとの異なるニーズに合わせて、装甲性能や機動性などをカスタマイズすることもできるとのこと。こうした特徴から、スウェーデン、ギリシャ、マレーシア、メキシコ、ノルウェー、ペルー、アメリカ、ウクライナで採用されているほか、現在フランスでも採用が検討されています。

【これが日本で見られるかも…!】実際に活躍するCB-90を写真で(画像)

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