「一般人お断り」だった「すぐ帰らされる」激レア終着駅、いったい何がある!? 日本唯一「“猫”がつく駅」に行ってみた

災害のため一部区間の運休が続く黒部峡谷鉄道。現在の終点は、もともと「一般人お断り」だった駅で、なおかつ駅名に「猫」がつく日本唯一の存在でもあります。行ってみると、災害による被害の大きさを実感しました。

なるほど…「片道切符がない理由」

 標高224mの宇奈月駅を出発した列車は黒部川に架かる新山彦橋を渡った後でトンネルを抜け、うなづき湖沿いにはヨーロッパの古城のような建物が出現します。これは新柳河原発電所で、隣接して一般客は乗降できない柳橋駅があります。

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黒部峡谷鉄道の新山彦橋から見た黒部川(大塚圭一郎撮影)

 列車が停車すると、車内放送で「列車行き違いのためしばらく停車します」と案内がありました。黒部峡谷鉄道は単線で、一部の途中駅は行き違いができる構造になっています。

 反対方面の列車をけん引していたのは、凸形をした1957年製の電気機関車EDS形。車体中央の運転台に大きな制御器があるため、運転士が横向きに座って操作する変わり種です。

 宇奈月を出発して25分後、猫又までの間で唯一乗降できる駅の黒薙(くろなぎ)に到着しました。ここには「トロッコ電車でしか辿(たど)り着けない秘湯」とうたう黒薙温泉旅館が駅から約600m離れた場所にあります。訪れたグループは「駅の先に急な階段があり、たどり着くまで大変だった」と話していました。

 黒薙の駅員に手を振られながら出発したトロッコ列車は、川底から高さ約60mに架かる橋「後曳橋(あとびきばし)」(全長約64m)を渡ります。「入山者が思わず後ずさりをする」というのが命名由来とされるだけに、眼下の黒部川を眺めると迫力がありました。

 乗った列車は関西電力の水力発電所「黒部川第2発電所」の脇を抜け、宇奈月出発から52分後に11.8km離れた猫又へ到着しました。

 標高358mの駅はもともと作業員だけが利用していたため、旅客用に約100mの木製プラットホームが新設されました。一般供用は2024年10月5日に始まり、24年は運行最終日の11月30日まで稼働、25年は5月10日から利用されています。

 とはいえ、黒部峡谷鉄道以外の移動手段がなく、周辺には宿泊施設もないため、乗務員は車内放送で「およそ20分後に発車する同じ列車に必ずご乗車ください」とくぎを刺しました。宇奈月で片道切符ではなく、往復乗車券を販売したのも、利用者が同じ列車で折り返すためです。

【どこ?】これが日本唯一「“猫”のつく駅」です(地図/写真)

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