保護猫にとっての「方舟」幸せへと連れて行ってくれるバス!? 見かけたら是非ご協力を!
近年ではTV番組などを通じてだいぶ理解が進んだ保護猫活動ですが、では野良猫や捨て猫を保護する際、どうやっているかはあまり知られていません。今回は一連の流れを解説します。
タクシー運転手から「嬉しい」声がけも
ちなみにタクシーで移動するとき、多くの運転手さんは保護したばかりの猫であっても快く乗せてくれます。もちろん、我々もペットシートや新聞紙を使ったり、捕獲器ごと大きな布で覆ったりして車内にゴミなどを落とさないように気をつけています。

過去には「うちも保護猫をお迎えして飼っているんだよ」と話してくれた運転手さんもいて嬉しかったことも。ありがたいです。
保護部屋に到着したら、ペット用の体重計に乗せて重さを測ります。それから駆虫薬を施して、口の中を見たり、怪我の確認をしたり、性別を確認したり、爪を切ったり、ともかく猫は人間に触られたり見つめられたりし続けます。
動物病院なら、さらに不妊手術、血液検査、ウイルス検査、ワクチン接種、マイクロチップの挿入などを行います。
こうして、あっという間に1日は過ぎ去るのですが、この激動のスケジュールを耐え抜いた猫を、ようやくケージで休ませることになります。
フードと飲み水をあげ、トイレもセット。数日はケージを大きな布で覆い「隠れ家」を作ってあげます。これでゆっくり休んでもらいます。
保護部屋には、他にたくさんの猫が生活しているので、連れてきたばかりの猫も自分以外の猫たちを見ているうちに、「環境」や「仲間の猫」を認識するようになります。そなると、比較的早く慣れていきます。
なお、人間にはまだ慣れていません。とはいえ、リラックスしてきた姿を見せ始めれば、人間に慣れるのも近い証拠と言えるでしょう。
こうして捕獲器に入ったことから始まった家猫生活。仲間猫やボランティアスタッフと触れ合うことで、怯えていた表情はだんだんと優しい表情に変わります。そして、新しい家族・里親さんと巡り会うその日を、仲間猫と共に幸せを夢見ながら待っています。
言うなれば捕獲器は「幸せへと連れて行ってくれるバス」のようなもの。そんな捕獲器を、今後もし見かけることがありましたら、触ったり覗き込んだりせずに、猫の幸せを願いながら見過ごしていただけると、保護猫ボランティアとしては幸いです。
Writer: 深川にゃんみつ(猫の魅力発信者)
猫の魅力や個性を大切にし、猫との日々から見える豊かな世界を伝える。すべての猫が幸せに生きられる未来を願い、その思いを形にして発信します。
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