「そうかえん」に見た自衛隊の「課題」 現代戦に必要なものとは

毎年恒例の富士総合火力演習「そうかえん」。2016年も、昨今続く陸海空自衛隊が協力し島しょ防衛にあたるシナリオでしたが、そのなかで自衛隊が現代戦に対応するために必要な、とある課題が見えてきました。

F-2とLJDAM、本領発揮はまだ先か

 補足が必要と思われるもうひとつは、現時点においてJDCS(F)に対応したF-2は、わずか2機しか存在せず、戦力としてみなせる状態ではないという点です。2016年度予算においても4機しか改修されず、来年度は11機ぶんの予算しか計上されていません。

 さらにJDCS(F)とLJDAMをフルに活用するには、F-2の頭脳にあたる「ミッションコンピュータ」を新しいものにしなくてはなりませんが、こちらは2017年に開発が終了する見込みという段階です。実戦配備されたF-2にこれが適用されるには、さらに数年を必要とするでしょう。もちろん、F-2だけがJDCS(F)端末を装備しても意味がなく、地上部隊側の「前線航空統制用JDC地上システム」端末も必要です。これらが現実的な戦力になるのは、やはりまだ先の話でしょう。

 以上のことから、現状において「そうかえん」で示されたようなF-2による作戦の遂行はあまり現実的ではなく、あくまで将来、装備が充実した際に可能なものであるため、少々補足してみました。

 デジタルネットワークを活用した現代的な航空作戦は、いまや欧米では当然のように行われています。航空自衛隊の次期主力戦闘機F-35Aは、卓越した情報処理、ネットワークによって「戦闘機」という兵器の概念を根底から覆すポテンシャルを持ちますが、残念ながら陸上自衛隊はF-35と同一のネットワークに加入する端末を持っておらず、同機は全能力を発揮することができません。

 今年の「そうかえん」は、自衛隊のネットワーク・システムにおける今後の課題を明らかにしたといえるかもしれません。

【了】

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コメント

4件のコメント

  1.  そろそろ中共と実戦前提に軍備整える時期だ。英国に倣い核ミサイル搭載原潜3隻配備も具体化すべきだ。近い将来には米軍を宛てに出来なくなるのだから。

  2. 法改正を先に完了しておかないと!どんな最新最強兵器を装備しようと相手さんが最初の一発を撃ってこないと撃てませんから。て言うんじゃ舐められて当たり前ですから。

  3. 時代がどう変わっても、最後は剣付鉄砲小脇に抱えて銃剣突撃ってんじゃないだろうね。

  4. 現地参加者です。

    全プログラムが滞りなく進行

    はされておりません。実際には、厚い雲のため、空挺団の降下が中止になりました。

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