決まっていない終了時刻 野球試合後の乗客集中、鉄道会社はどうさばく? その工夫とは

数万人が同じ場所で観戦するプロ野球。試合終了後、大勢が最寄り駅へ一挙に訪れるため、鉄道会社は対策が必須です。しかも試合終了時刻は、最後まで分かりません。関東の私鉄で唯一、プロ野球チームをグループに持ち、沿線にその球場がある西武鉄道はどのように対応しているのか、その工夫を聞きました。

合計5種類のダイヤがある西武鉄道

 関東の私鉄で唯一、プロ野球チームをグループに持つ西武鉄道。その球団である「埼玉西武ライオンズ」の本拠地、西武プリンスドーム(埼玉県所沢市)近くに、狭山線と山口線の列車が発着する西武球場前という駅があります。

 狭山線は単線で、普段は4両編成と8両編成の列車が日中1時間あたり4本しか走らない、いたってのどかな路線ですが、西武球場前駅には狭山線と山口線を合わせ、8番線までホームが存在。このうち狭山線の1番線から6番線のホームはすべて10両編成が停車でき、まるで都心の巨大ターミナル駅を見ているかのようです。

 これには、西武プリンスドームで試合がある場合の輸送ダイヤが大きく関係しています。実際にそのとき、狭山線と西武球場前駅はどのように運用されているのでしょうか。西武鉄道の計画管理部運行計画課、石田大志主任に話を聞きました。

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野球の試合が終了したのち、数分間隔で列車が発車していく西武球場前駅(写真出典:西武鉄道)。

――プロ野球の試合時は、一度に大勢の人を案内する難しさがあるかと思います。

石田さん「試合開始時刻はナイターもデーゲームも基本的に変わらないため、往路輸送は難しくありません。ただ復路は試合展開によって大きく変わるため、たくさんの臨時電車をあらかじめ準備しておき、終了時刻に合わせて運転する列車を決める『パターン輸送』を実施しています。弊社には平日ダイヤと土休日ダイヤのほかに平日ナイターダイヤ、土休日デーゲームダイヤ、土休日ナイターダイヤの計5つのダイヤがあります」

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