決まっていない終了時刻 野球試合後の乗客集中、鉄道会社はどうさばく? その工夫とは
試合終了23時42分、そのとき西武鉄道は
――2009年7月に23時42分まで試合が行われた際は、どのように対応したのでしょうか。
石田さん「2009年は長い試合が多い年でした。実は現在の『パターン輸送』は2010年3月に始めたので、2009年当時は各駅停車と準急の増発を行う対応をしていました。この日は試合終了時刻が終列車後だったため、急きょ回送列車を営業列車に仕立て、西所沢行き列車を運行しました。あまりにも試合が長くなりそうな場合は、各方面への終列車の時刻をドーム内で案内しています」
――1990年代にも「パターン輸送」を行っていたそうですね。
石田さん「当時は球場に屋根がなく、雨天などによる当日試合中止時のダイヤもあったため、現在よりさらに複雑な『パターン輸送』を行っていたようです。しかし複雑すぎるので、試合終了時刻に合わせてひたすら準急と各駅停車を走らせる方式にしたのですが、ムダが多く、急行や快速も運転できないため、2010年に現在のパターンダイヤが確立しました」
――野球以外にも、西武プリンスドームでは歌手のコンサートなどが開催されます。その場合もダイヤを作っているのでしょうか。
石田さん「主催者側の来場者予想などを元に、野球用のダイヤをさらにアレンジした臨時ダイヤを作っています。野球は沿線からの来場者が多いのに対し、コンサートは沿線にとどまらず広い範囲から来場されるので、電車での来場率が高くなります。女性人気グループのライブやミュージシャンのコンサートに限らず、秩父の芝桜鑑賞や航空自衛隊入間基地の航空祭、秩父夜祭など、臨時ダイヤにより柔軟な対応を行っています。これだけの頻度で臨時ダイヤを運用している会社はないと思います」
――本日はありがとうございました。
石田さん「試合終了時刻に合わせてたくさんのお客さまが快適に効率よく乗車していただけるように運行を計画するのが腕の見せ所です。スムーズに帰宅してもらい、何度も西武プリンスドームに足を運んでいただけるよう、西武グループ全体で力を合わせていきます」
【了】
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