決まっていない終了時刻 野球試合後の乗客集中、鉄道会社はどうさばく? その工夫とは

数万人が同じ場所で観戦するプロ野球。試合終了後、大勢が最寄り駅へ一挙に訪れるため、鉄道会社は対策が必須です。しかも試合終了時刻は、最後まで分かりません。関東の私鉄で唯一、プロ野球チームをグループに持ち、沿線にその球場がある西武鉄道はどのように対応しているのか、その工夫を聞きました。

野球の試合展開で変わる混雑のピーク

――1試合あたりの降車人員などを教えてください。

石田さん「2015年、西武プリンスドームでのプロ野球公式戦は69試合開催され、平日ナイターの平均降車人員は約7500人、土休日デーゲームと土休日ナイターの平均降車人員は約1万4000人です。いずれも平均試合時間は約3時間20分です」

――降車人員は多いときでどれくらいでしょうか。

石田さん「2015年は6月13日(土)のデーゲーム、対東京ヤクルト戦が最大で、降車人員が約1万8000人でした。この日の入場者数は3万2876人、試合終了時刻は17時13分で、17時18分から18時34分のあいだに特急1本を含む10本を運行し、約1万9000人分の輸送力を確保しました。この日は17時20分ごろに乗車人員のピークを迎え、17時20分から17時40分の20分間に、約6500人が改札を通過しています。ピークの時間帯も試合展開によって左右され、負けが見えたら早く帰る人が増えます。お客さまの動きが一定でないのが難しいところですが、試合終了後1時間に集中する傾向はあります」

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西所沢~西武球場前間4.2kmを結ぶ西武狭山線。単線で、途中の下山口駅でしか列車の行き違いができない(作図:乗りものニュース編集部)。

――ダイヤの計画を立案するのにあたって、どのような苦労があるでしょうか。

石田さん「試合がある日は池袋駅だけでなく、西武新宿駅や本川越駅、元町・中華街駅や新木場駅からも西武球場前行きの列車が運転されます。このとき問題になるのが、西所沢駅などの配線です。西所沢~西武球場前間は単線区間であるため、片道7分30秒間隔、上下線合計で1時間あたり最大16本までの運転に制限されています。また、狭山線から池袋線への上り(池袋方面)ルートは、池袋線の下り本線(秩父方面)と平面交差しているほか、西所沢駅の狭山線ホームのうち1線は、カーブのため営業列車は8両編成までの入線に制限されています。これらの要素を踏まえてダイヤを計画しています」

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