どっちが前で後ろなの!? いいえ前から後ろから… 55年前の万博で未来を先取りしすぎていた“スズキ”

今から約半世紀前の「大阪万博」では、なんと「電気自動車」が場内の業務で活躍していました。このクルマは当時としては“斬新すぎる”デザインも話題となったのですが、どのようなモデルだったのでしょうか。

今や当たり前に? “前後対称”な自動運転EVが令和の「万博」に見参

 このモデルで気になるのが、電気自動車としてのパッケージングです。当時のバッテリーは現代に比べて大きく重いものでしたが、EVキャリイバンは、バッテリーをリアラゲッジルームの床下へ吊り下げるようにレイアウト。モーターもフロア下面にセットすることで、ラゲッジスペースを犠牲にすることなく、駆動システムを搭載することに成功していました。

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ナビヤ社の自動運転車アルマ。今回の「大阪・関西万博」でも走行している(乗りものニュース編集部撮影)

 もちろん、EVキャリイバンは市販化されなかったものの、万博の会場内という限定的な環境であれば、充分実用に耐えうる性能を有していました。元のキャリイバン譲りの個性的なデザインも相まって話題となり、スズキの先進性を大きくアピールすることにも貢献しました。

 ちなみに、今回の「大阪・関西万博」においても、かつてのEVキャリイバンのように何種類かの電気自動車が会場の内外を走行しています。その中で自動運転車として走行するフランスのナビヤ社が作った「アルマ」も、EVキャリィバンのように前後でシンメトリー的なデザインとなっており「どっちが前で、どっちが後ろか」という概念がありません。

 同様に、2020年東京オリンピックの選手村で使われたトヨタの自動運転車両「e-パレット」なども前後対象のデザインです。自動運転車両では「どっちが前で、どっちが後ろか」は重要ではなくなってきているのかもしれません。

【前向きなのか、後ろ向きなのか?】これが衝撃の「前後同型キャリイバン」です(写真を見る)

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