「戦える空中給油機」爆誕!? ドローン放って振り払え! 狙われる「空の守り神」たち
米軍が空中給油機に「自衛用ドローン」の搭載を検討していると報じられています。空中給油機や早期警戒管制機といった「空の守り神」的な軍用機は、同時に脆弱性も抱えています。その防護策が、各国で課題となっているようです。
狙われるフォース・マルチプライヤー
現在運用中または開発中のフォース・マルチプライヤーは、戦闘機ほど運動性の高くない旅客機や貨物機をベースとしており、反撃用の機銃なども搭載していません。このため現代の空対空戦闘では、まず運動性が低く、反撃能力の無いフォース・マルチプライヤーを優先的な攻撃目標とする傾向が強くなっています。
ロシアと戦争中のウクライナが、ロシア航空宇宙軍の投入したA-50早期警戒管制機を付け狙い、2024年に2機を撃墜。また2025年に行われた自爆突入型ドローンによるロシア航空宇宙軍基地への攻撃でも、A-50は優先攻撃目標となっています。このためフォース・マルチプライヤーの側も生存性を高めるための手段の獲得が求められています。KC-135ドローンデリバリーシステムも、その考え方に基づいて考案されたものでしょう。
アメリカ空軍は、KC-135ドローンデリバリーシステムの開発完了に必要な費用を2026会計年度予算において要求しているため、実用化されるかは今のところ不透明です。一方で、フォース・マルチプライヤーの生存性を高める手段の研究開発は、アメリカ以外の国でも行われています。
各国で急ぐ「フォース・マルチプライヤー防衛策」とは
オーストラリアはボーイングと共同で、多用途UAS(無人航空機システム)MQ-28「ゴーストバット」の開発を進めています。戦闘機と協働して偵察や戦闘を行うCCA(協働交戦航空機)の開発は各国で進められており、同機もオーストラリア空軍のF-35A戦闘機などと協働するCCAの側面を持っています。

しかし、同空軍とボーイングはMQ-28をE-7A AEW&Cといったフォース・マルチプライヤーの護衛機として活用する方針も示しており、2025年6月16日には、E-7AからMQ-28を遠隔操作する試験を成功させています。
この試験ではMQ-28の実機2機と、MQ-28を忠実に再現したデジタルデータ機1機をE-7Aから制御し、最終的にはE-7Aに搭乗する1人のオペレーターが、3機のMQ-28を制御しています。
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