これが“貨物船”!? まるでフェリーの豪華さで“働き方改革” 商船三井の「クルマ7000台積み」新鋭自動車船に潜入!
東京港で商船三井の最大級7000台積み自動車船「CELESTE ACE」が公開されました。環境負荷の低いLNG燃料を使用し、AI技術や船員の福利厚生も充実した新鋭船です。
船内に129か所のカメラ
操船を行うブリッジは従来の船より広く、ECDIS(電子海図情報表示装置)やレーダーのモニターも見やすくなっており、全体的に明るい作りとなっています。ウィング(ブリッジ左右の張り出し部分)も船内に収められ、悪天候時でも雨に濡れることなく勤務ができるようになりました。
このブリッジにはAI(人工知能)カメラのモニターも置かれています。これはイスラエル企業キャプテンズ・アイが開発したAIシステムで、商船三井では電気自動車(EV)の火災対策として自動車船への導入を進めています。
ほかにも、船内には129か所にカメラが設置されており、AIが画像を分析して煙などの異常を自動検知し、アラームで乗組員や陸上の管理者に知らせるようになっています。貨物倉には1デッキ当たり10台が設置されており、自動車からの発火などを早期に発見することで、船体火災や沈没に繋がる重大事故を未然に防ぎます。
フェリーかよ!! 驚きの快適船内
この船は、外航船員の課題とされている「働き方改革」もテーマのひとつ。乗組員の福利厚生として、高速で低遅延接続が可能な衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)」も導入しました。LINEの動画通話が可能な通信品質が確保されており、乗組員が家族と動画を通じてリアルタイムでコミュニケーションを取ることができます。

もう一つ特徴的なのは、船内に居室でも職場でもない、憩いの場となる第三の場所「IKOI」を導入したことがあげられます。外に面したカウンターやパーソナルブース、足をのばせる空間が設けられており、ここだけフェリーのような雰囲気となっています。「IKOI」の吹き抜けからは1層下のトレーニングルームも見ることができ、長期の航海でも健康の維持と精神的ストレスを軽減できるような取り組みが進んでいることが伺えます。
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