これが“貨物船”!? まるでフェリーの豪華さで“働き方改革” 商船三井の「クルマ7000台積み」新鋭自動車船に潜入!
東京港で商船三井の最大級7000台積み自動車船「CELESTE ACE」が公開されました。環境負荷の低いLNG燃料を使用し、AI技術や船員の福利厚生も充実した新鋭船です。
“バイオLNG”も初使用
前出の通り、エンジンはLNGと重油の双方を使える二元燃料(DF)対応です。LNGは従来の燃料油に比べてCO2(二酸化炭素)の排出を約25-30%、SOx(硫黄酸化物)の排出を約98%、NOx(窒素酸化物)の排出を約85%削減することが可能で、外航海運を中心に採用が広がっています。
ただ、LNGのバンカリング(供給)に関しては国内のバンカリング船がまだ少ないため、シンガポールなど海外で行っているとのことです。
その一方、「CELESTE ACE」は今年3月にベルギーのゼーブルージュ港で約500トンの“バイオLNG”燃料の供給を受けました。カーボンニュートラルも実現可能な廃棄物や残渣由来のバイオLNG燃料を船舶の運航に使用するのは、邦船社の外航船としては初めてで、商船三井はさらなるCO2の削減へ挑戦していきます。
同社が新造整備する新造LNG燃料自動車船「BLUE」シリーズは、1番船の「CERULEAN ACE」から「青」にまつわる船名が付けられています。青とグリーンを全体に配し、白い「A」の文字を大きく描いたカラーデザインの船を見かけたら、それは船員の働きやすさと環境に配慮した次世代を担う新しい自動車船です。
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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