こ、これが“走るラブホ”か… 平成の「ヤンキーご用達カー」たちが“真逆の人々”にも支持されたワケ
ホンダ「S-MX」とトヨタ「bB」は、どちらも20代の若者をターゲットに開発されたクルマです。主にヤンキー的な若者から絶大な支持を集めた2車ですが、実は全く予想外な層からも根強い人気を集めていました。
S-MXとbBは「お年寄り」にも大ウケ!?
しかし、2代目bBは販売開始直後こそ好調だったものの、それまで堅調だった若者人気はだんだんと低迷。2009年に始まった通称「エコカー減税」の対象外となったことも響き、次第に市場での存在感を失い、2016年に生産終了となりました。

ところでbBとS-MXは、実は意外なユーザー層からも一定の支持を受けていました。それが「お年寄り」などの足腰の弱いドライバーです。
SUVやハイトワゴンタイプが主流になった現在でこそ珍しくありませんが、S-MXやbBは若者向けのパーソナルカーである一方、当時の国産車のなかでは高めの全高を持つモデルでもありました。加えて、2車は箱型のスタイルも手伝って、コンパクトなサイズのわりに室内は広々しており、積載性も優秀でした。
乗り降りラクラクで、荷物も人も充分運べて、なおかつ取り回しに優れたサイズ。S-MXとbBは見方を変えた途端、お年寄りにうってつけなモデルと解釈することもできたのです。これは2代目bBが低迷しながらも、10年以上にわたるロングセラーとなったこととも無関係ではないかもしれません。
さらに、2代目bBの生産終了から約3か月後には、実質的な後継車に当たるスライドドア付きのハイトワゴン「タンク」がデビュー。タンクは後に絶版となりましたが、その兄弟車の「ルーミー」は今なお幅広い層から支持されてロングヒットを飛ばしています。“ヤンキー的若者”と“お年寄り”という、まるで正反対といえる層から支持を受けたS-MXとbBは、まったく予想外の形で新しいニーズを開拓したのでした。
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