「えっ…航空業界の最新技術紹介の場に“還暦”の飛行機いるんだが…」なぜ? 超長寿モデルのスゴい利点とは
世界の航空業界における最新技術などが紹介される場で、ある意味ユニークな機体が展示されていました。1965年5月初飛行のプロペラ機の最新派生型です。なぜここまで長寿なのでしょうか。
堅牢な設計で国内で活躍?
DHC-6は、森林や湖の多いカナダのお国柄に合わせて生まれ、頑丈につくられました。そのうえ、「デ・ハビランド」というメーカー名は航空黎明期にあったイギリスの名門メーカーで、デ・ハビランド・カナダはその流れを引くカナダの子会社です。DHC-6が「歴史と伝統のある」飛行機なのは間違いありません。
こうした長寿を誇るツインオッターですが、日本で紹介され始めた頃は「オッター」が「落ちた」を連想させて縁起が悪い、となり、機体紹介の際は「ツインオター」と紹介されていたということです。
今となっては真偽のほどが定かでない話ですが、それでも堅牢な機体は地方の小路線に都合がよく、南西航空をはじめ地域航空会社で飛んでいる姿を見ることができました。19人乗りというのは日本で最小クラスの旅客機と思われますが、離島を結ぶ重要な飛行機なのは変わらず、第一航空により沖縄県の那覇―粟国島線で運航されています。
Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)
さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。
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