ベネズエラ大統領拘束の裏で暗躍? まるで忍者な「米軍の特殊作戦母船」 一見すると「民間フェリー」その実態は“動く極秘基地”

米軍によるマドゥロ大統領拘束という衝撃ニュースの裏で、カリブ海には「一見ただの商船」にしか見えない異様な船が潜んでいました。「オーシャン・トレーダー」という名の“謎船”、どういう役割を担っているのでしょうか。

船名も消し、正体を隠して暗躍する「マースクの元商船」

 米トランプ政権は2026年1月3日、南米ベネズエラの首都カラカスへの武力攻撃を実施。独裁体制を敷いていた同国のニコラス・マドゥロ大統領夫妻を拘束し、自国へ連行しました。

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2023年7月28日、横須賀沖に停泊していたアメリカ海軍の特殊作戦支援母船「オーシャン・トレーダー」(深水千翔撮影)。

 アメリカは、以前より「麻薬対策」を名目にベネズエラへの圧力を強めており、2025年後半からカリブ海には原子力空母「ジェラルド・R・フォード」を中核とする空母打撃群や、カラカスで拘束したマドゥロ氏を連れ込んだ強襲揚陸艦「イオージマ」など、複数の艦艇が展開しています。

 ただ、その中には一見すると商船にしか見えない特殊な船の姿もありました。「オーシャン・トレーダー」という名の同船は、アメリカ海軍軍事海上輸送司令部が運用する特殊作戦支援母船ですが、その性格上、アメリカ海軍も詳細を明らかにしていません。海外の複数のメディアによれば、同船は2025年夏頃からカリブ海に展開していたようです。

「オーシャン・トレーダー」は、もともとデンマークの海運大手A.P.モラー・マースクグループが運航していたRORO船「クラッグサイド」です。2011年に竣工したこの船をアメリカ海軍が購入し、所要の改造を施したうえで、2015年ごろに改めて運用を開始しました。総トン数は約3万総トン、全長は193m、幅は26m。最高速力は21ノット(約38.9km/h)とされています。

 灰色と白によるツートンカラーの外観はRORO船時代から変わっておらず、パッと見では商船に思えます。しかし、その役割はアメリカ軍の特殊部隊が運用する資器材を搭載して目的地の近くへと運び、空と海の両方から戦力の投入を助けるというものです。

 船体の形状を見ると後部の車両ランプはRORO船時代とほぼ変わらないものの、車両甲板の開口部が塞がれてフラットな甲板が設置されているほか、大型化した居住区の前方に格納庫らしきものが増設されていることから、航空機の整備や補給を行う環境が整えられていると考えられます。

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