日本一? 京浜東北線なぜ「残念な行先」が多いのか 混雑招く“寸止め”に不満の声
乗りものニュースでは列車の「残念な行先」に関するアンケートを実施。その結果、京浜東北・根岸線が路線として最も多くの票を集めました。なぜ京浜東北・根岸線は「残念な行先」が多いのでしょうか。
荒川超えず、リアル“翔んで埼玉”
では、反対側の大宮方面ではどうでしょうか。ランキング5位に入った「南浦和行き」について寄せられた声を見てみます。

「中距離電車への乗継ぎが不便」(60代・男性・首都圏在住)
「浦和まで行かない」(50代・男性・首都圏在住)
南浦和駅では武蔵野線に乗り換えられるものの、その先の浦和駅は宇都宮線・高崎線が停車するターミナル。また終点の大宮駅もすぐ近くにあり、乗降客の多い両駅に届かないことが「残念」とされる理由です。
さらに「都内だと2本に1本の割合とかなり多い」(20代・男性・首都圏在住)との声もあり、日中の時間帯を中心に南浦和止まりの本数が多いことも不満につながっています。
ただし、埼玉県に入れない「行先」も存在します。
「(東十条行きは)乗り換えもない、駅ナカ施設がない、せめて赤羽まで行ってほしい」(40代・男性・首都圏在住)
「(赤羽行きは)赤羽より先、埼玉県内各駅へのアクセスが途絶えるから」(50代・男性・首都圏在住)
東京から荒川を越えず埼玉県に入らない「東十条行き」や「赤羽行き」は、まさに東京と埼玉を切り離しているように映ります。(なお「赤羽行き」は大宮発でも設定がある)
赤羽駅では埼京線のほか上野東京ライン、高崎線、宇都宮線、湘南新宿ラインに接続できますが、隣の東十条駅にはこれらが一切停車しません。
「東十条行き」は2024年のダイヤ改正でいったん廃止されましたが、2025年4月に羽田空港アクセス線の工事に伴い山手線・京浜東北線の一部区間が運休した影響で、大宮~東十条、品川~大船間を分断運行する形で一時的に復活したほか、臨時で設定されることがあります。見る機会はなくなっても「残念な行先」として根強く記憶されているようです。
大宮方面では東十条や南浦和に車両基地があり、また浦和駅では折り返しが難しいといった運用上の事情も「残念な行先」を生む一因となっています。
京浜東北・根岸線は、利用客の多い赤羽~蒲田間の本数を確保するダイヤが組まれていることから、大宮方面は南浦和以北、大船方面は川崎以南で運行本数が少なくなってしまいます。その結果、日本一「残念な行先」が多い路線となっているのです。
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