「元祖中央本線」のトンネルたちがスゴい変身を遂げていた! 圧巻のその中身…しかも超長~い

山梨県には、一般公開されたものの中では最長クラスの廃線トンネルと、ユニークな使われ方をしている廃線トンネルが計2本あります。それぞれを巡ってみました。

近くには「ユニークな使われ方」をしている廃線トンネルも

 「大日影トンネル」の上り側入り口の先には、隣接する形で「深沢トンネル」という別の鉄道トンネルがあります。こちらも「大日影トンネル」の廃止とともに線路としての役割を終えましたが、現在はワインを保管する「勝沼トンネルワインカーヴ」として再利用されています。

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上り側入り口の先にある「勝沼トンネルワインカーヴ」。深沢トンネルをワイン貯蔵庫として再利用している(布留川 司撮影)。

 甲州市には日本ワインの発祥の地であり、現在も市内には43のワイナリーが存在しています。トンネル内部は年間を通じて温度6~14℃、湿度45~65%と環境が安定しているため、ワイン保管庫としては理想的な場所となっています。

 こちらのトンネル内の左右には、全長約1.1キロメートルにわたってワインラックが置かれ、個人や地元ワイナリーのワインが多数保管されています。内部への立ち入りはワインを保管している個人や会社関係者に限定されますが、入り口付近までは一般人も入って見学が可能です。

 トンネルから一番近い勝沼ぶどう郷駅(旧勝沼駅)は、駅舎にワインやブドウの名産品が購入できるワインショップが併設され、近郊にはEF64形電気機関車が展示された公園や、勝沼駅が開設した当時のホームが残る歴史文化公園もあり、こちらも「大日影トンネル遊歩道」見学と共に楽しめるスポットとなっています。

 鉄道路線が廃線後も当時の姿をとどめたままで残るというのは珍しいことであり、「大日影トンネル」はそのトンネル自体にも歴史的な建築物としても価値があります。全長約1.4キロメートルもある鉄道トンネルはそこを歩くだけでも楽しいですが、そこで使われている建築技術や、背景にある歴史、周辺にある観光スポットなども非常に興味深いものばかりです。もし現地を訪れる機会があったら、トンネル散策だけでなく、これらもあわせて楽しむといいでしょう。

【画像】これが「日本最長クラスの廃線トンネル」全貌&内部です

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雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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