アメリカから初めて“戦闘機を購入”防空以上に「麻薬組織」への対応力が決めてだった!? ペルー
アメリカ国防総省は2025年9月26日、ペルー政府からのF-16C/D「ファイティング・ファルコン」購入に関する要請を承認したと発表しました。
対麻薬組織にも対応?
アメリカ国防総省は2025年9月26日、ペルー政府からのF-16C/D「ファイティング・ファルコン」購入に関する要請を承認したと発表しました。

ペルー空軍は現在、空軍戦力の近代化を進めており、単座型のF-16Cを10機、複座型のF-16Dを2機、合計12機の購入を要請しています。機体はいずれも最新型のブロック70で、武器やスペアパーツを含む支援パッケージも含まれており、取引総額は34億2000万ドル(約4959億円)に上る見込みです。
これまでペルー空軍は、旧ソ連製のMiG-29やフランス製のミラージュ2000などを運用してきました。アメリカ製軍用機としては、軽攻撃機のA-37や偵察用のセスナ機などの導入実績がありますが、F-16のような本格的なジェット戦闘機を導入するのは今回が初めてとなります。
F-16ブロック70は、対空・対地攻撃や偵察など、さまざまな任務に対応可能なマルチロールファイターです。今回ペルー向けに導入される機体の特徴としては、特に対テロ・対麻薬作戦への対応が想定されている点が挙げられます。
同国の麻薬カルテルは、森林地帯やアンデス山脈の山岳地帯に拠点を構えており、それらの構造物や航空機に対する低空・近距離での精密攻撃能力が求められます。また、民間人や民間施設と隣接する地域での作戦も想定されるため、目視およびセンサーを用いて敵を識別し、低空でのピンポイント攻撃を行う能力が不可欠です。F-16ブロック70は、こうした任務に適していることが、購入理由のひとつとなっています。
また、今回の導入にはアメリカとの関係強化という側面もあります。近隣ではコロンビアがスウェーデン製の「グリペン」戦闘機の導入を検討しており、一方でアメリカと対立関係にあるベネズエラは、ロシア製のSu-30などを配備しています。ペルーとしては、アメリカとの協力関係を深めると同時に、防衛装備の近代化において取り残されないようにする狙いがあるとみられます。
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