被災車両は約300台「1000万円超え高級車まで廃車に…」冠水した四日市の地下駐車場 排水設備なぜ動かなかった?

2025年9月12日の記録的な大雨災害で冠水した三重県四日市市の地下駐車場「くすの木パーキング」について、国土交通省は同月17日、最下層である地下2階までのすべての冠水が解消したと発表しました。

延べ94時間におよんだ排水作業 約300台が被災

 国土交通省 三重河川国道事務所は2025年9月17日、豪雨災害で冠水した三重県四日市市の地下駐車場「くすの木パーキング」について、最下層である地下2階までのすべての冠水が解消したと発表しました。

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大雨で冠水した四日市の地下駐車場(画像:国土交通省 三重河川国道事務所 公式X)

 この冠水は、9月12日に発生した記録的な大雨災害によるもので、くすの木パーキングでは地下2階部分が完全に冠水したほか、地下1階も高さ1.2mまで浸水しました。施設には排水用の設備も備えられていましたが、当日は停電により作動せず、水面の高さは地下1階・2階合わせて最大5m10cmまで達しています。

 施設の排水作業は翌13日に開始され、14日朝には地下1階部分の排水が終わりましたが、地下2階部分は天井まで完全に水没していたため、作業が難航。16日の午前10時ごろになって、ようやくすべての排水作業が完了しました。作業時間は延べ94時間にも及んでいます。

 同日朝には被害状況の調査が始まりました。幸いなことに人的被害は確認されませんでしたが、被害を受けた車両数は地下1階が160台、地下2階が114台の合計274台にのぼりました。

 三重河川国道事務所は、公式Xを通じて一連の作業・調査の経過を投稿しており、被災状況の深刻さを伝えています。水没した車両のなかには、新車価格1160万円という高級車「メルセデスベンツ・Sクラス(W222型)」や、国産スーパースポーツカーの日産「GT-R」の姿も確認できます。

 SNS上では「凄い被害 まるで映画かゲームのシーンのよう」「人がいなくてよかった」「全部廃車なのか…」「被害総額いくらになるんだろ…」といったコメントが寄せられました。また、今回のような物的損害は、人身損害のみをカバーする自賠責保険の補償の対象外となります。こうした事情についても、「地下駐車場の唯一の弱点」「車両保険は大事だな」といった投稿が見られました。

【写真】これが豪雨で冠水した「1000万円超え高級車」です

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