邪魔すぎるだろ…!? 道のど真ん中に「ポツンと電柱」たち どうしてこうなった?

東京都内の路地を歩いていると、道路の端ではなく中央寄り、時には交差点のど真ん中に立つ「邪魔すぎる電柱」に遭遇することがあります。なぜこのような場所に立っているのでしょうか。

交差点のど真ん中に電柱!?

 豊島区東池袋の住宅街には、電柱が十字路の中央にそびえ立つ場所が。ふつうであれば危険きわまりない状況ですが、十字路のうち二方向はクルマが通れない道幅、そして一方向は行き止まりとなっているため、通行するのは近隣の数戸の住宅のクルマであることから、事故の危険はほぼないと考えられます。

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新宿区若松町の電柱。左側の家並みはかつてこの電柱ぎりぎりまで迫っていたが、建て替えによりセットバックし、電柱が残された(植村祐介撮影)

 ただ電柱には反射板の設置もなく、夜間の自転車からの被視認性は良好とは言えないでしょう。なお近隣ではこの地域を通り抜ける道路が事業中であることから、近い将来には電柱の移設もありえそうです。

 そして最後にご紹介するのが、路地裏にファッションブティックなどが立ち並ぶ渋谷区神宮前の商業地の電柱です。ここは、かつては明治通りから一本入った住宅地でしたが、近年になって商店が多数立地するようになり、そうしたお店を訪ねる歩行者だけでなく、配送のクルマも多数行き交います。

 電柱は変則三叉路のちょうど中央にあり、クルマで通りかかったときには「電柱のどちら側を通ればいいのか」に迷う形状です。またそうしたクルマの衝突を防ぐためか、電柱がある交差点の角に面した商業ビルの敷地の角には、頑丈そうな鉄の柱が二本立てられています。

 この交差点と電柱とがいまの形になってからもう長い時間が経ちますが、電柱の移設は行われていません。交差点前後の道路形状から、速度を上げたクルマが進入することは考えにくいこともあり、「この状態で落ち着いている」との判断から、ずっとこのままの状態が続いていくのかもしれません。

 ちなみに、「電柱」そのものは、やがて数を減らしていく存在ではあります。防災、美観、そして歩行者の安全性を確保するため、電線の配線は道路の地下空間を利用するなどの「無電柱化」が望ましいとされています。しかしその達成率(距離ベース)は2023年現在、進捗している東京都区内でも48.1%とほぼ半分、東京電力全社では10.3%、電力10社計ではわずか6.0%でしかありません(東京電力ホールディングス調べ)。

【うお、これは邪魔…】道のど真ん中の「ポツンと電柱」たち(写真)

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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