日本の採用に追い風? 欧州の小国がついにゲットした「念願の軽戦闘機」 日本にもピッタリと言えるワケ
オーストリア空軍が、レオナルド社製の軽戦闘機であるM-346Fの導入を決定しました。練習機としても運用できる同機の導入は、オーストラリアにとって念願といえるかもしれません。さらに、日本にとっても他人事ではないといいます。
オーストリア空軍が念願の「軽戦闘機兼練習機」導入
イタリアの総合防衛企業のレオナルドは2025年12月17日、オーストリアから「M-346F ブロック20」軽戦闘機を12機受注したと発表しました。
M-346Fは航空自衛隊へもT-4中等練習機の後継機として提案されているジェット練習機「M-346」の軽戦闘機型です。同機は亜音速機ですが、ブラジル空軍のF-5E/F戦闘機などに採用されている多機能火器管制レーダー「グリフォ」を搭載しているほか、航空自衛隊のF-15戦闘機でも近代化改修を受けた機体にしか装備されていない、パイロットのヘルメットに内蔵された照準装置も備えています。
またオーストリア空軍の発注には、ユーロファイターなどの主兵装の一つである短射程空対空ミサイル「IRIS-T」や、航空自衛隊のF-2戦闘機にも、能力向上改修を受けるまで装備されていなかった戦術データリンクシステムである「リンク16」との接続機能を備えており、速度性能や中~長射程空対空ミサイルなどの運用性能以外の面では、一級品の多用途戦闘機と言えると筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。
オーストリアが導入するブロック20仕様機は、M-346の最新バージョンです。2025年5月に幕張メッセで開催された防衛・セキュリティ総合イベント「DSEI Japan 2025」に展示されていたブロック20仕様機のシミュレーターのコックピットを見たところ、F-35戦闘機などと同じ大型のタッチパネル式液晶ディスプレイが採用されるなど、現在イタリア空軍で使用されている現行型と比べて様相が一変していました。F-35や今後登場する第6世代戦闘機にパイロットが適応するための訓練機としても、適していると感じました。
オーストリア空軍は、退役したサーブ105練習機兼軽攻撃機と、現在運用しているユーロファイターを後継する戦闘機としてM-346を導入していますが、実のところM-346Fはオーストリアが第二次世界大戦後初めて手にする、同空軍の要求を充たす初めての戦闘機兼練習機と言えるのかもしれません。
第二次世界大戦をドイツ帝国の一部として戦ったオーストリアは、敗戦後ドイツと同様、アメリカ、イギリス、フランス、旧ソ連の四か国に占領されました。ドイツと異なり東西に分割されることはなく、1955(昭和30)年にオーストリア国家条約を4か国と締結し、独立国としての地位を回復しています。
ただ、オーストリア国家条約には中立国となることが明記されていたため、自由主義陣営諸国として独立した西ドイツとは異なり、陸軍と空軍からなる連邦軍が運用する防衛装備品の導入にも、旧ソ連の顔色をうかがう必要がありました。





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