初出し! 見慣れぬ最新戦闘車「AMV」茨城県の自衛隊イベントで披露 “原型にない独自仕様”も発見!

2025年9月28日に茨城県の陸上自衛隊土浦駐屯地で開催された武器学校・土浦駐屯地開設記念行事において、新装備の装輪装甲車AMVが展示されました。よく見たら日本で使うための独自装備が追加されていました。

日本製鋼所のライセンス生産車を展示

 陸上自衛隊が導入を開始したばかりの最新の戦闘車両「AMV」が、このたび「武器学校・土浦駐屯地解説73周年記念行事」で展示・公開されました。

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武器学校・土浦駐屯地解説73周年記念行事で展示・公開された装輪装甲車(人員輸送型)AMV(乗りものニュース編集部撮影)。

 AMVは、「Armored Modular Vehicle(装甲モジュラー車両)」の略で、防衛省・陸上自衛隊では「装輪装甲車(人員輸送型)」という日本名も付けています。

 開発したのはフィンランドのパトリア社で全長約8.2m、全幅約2.8m、全高約3.2mで重量は約26t。乗車定員は操縦手や車長を含む11名です。エンジンは水冷4サイクルディーゼルを搭載、最高速度は100km/h以上を発揮します

 防衛省・陸上自衛隊では、現用のコマツ製96式装輪装甲車の後継として2022年12月に次期装輪装甲車としてAMVの採用を決定。これに伴い、日本製鋼所でライセンス生産することも決まり、2023年8月末には2社のあいだでライセンス生産契約が締結されています。

 土浦駐屯地で公開された車体は日本製鋼所でライセンス生産された2号車で、車体後部の銘板には2025年9月製と記されていたことから、まさに陸上自衛隊に引き渡されたばかりの新品でした。

 なお、10式戦車や96式装輪装甲車などと同じく緑と茶の2色迷彩が施されており、それだけでも陸上自衛隊の車両らしさを醸し出していましたが、それ以外でも日本国内を走行するにあたり、保安基準に適合するようフロントアンダーミラーを取り付けたり、車体側面やサイドミラーには橙色のリフレクター(反射板)が、車体後部には赤色のリフレクターがそれぞれ増設されていたりするなど、国内運用を想定した改修が見て取れました。

 また、車体後部の乗降扉に「警告 開閉注意」の文言があるなど、そういった面でも日本製らしさを見ることができました。

 防衛省では、2023(令和5)年度予算に初めてAMVの調達費用を盛り込んで以降、2025(令和7)年度予算までに82両の調達を決めています。なお、ライセンス生産だけでなくフィンランドのパトリア社工場で製造された車体も輸入する計画で、今年(2025年)2月にはパトリア社においても陸上自衛隊向けの初号車が完成しています。

 そのため、フィンランドからの輸入車体も近い将来、展示・公開されるかもしれません。

【写真】陸自仕様の「AMV」ディテール&前後左右イッキ見!

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