驚異の「ガード下スレスレバス」まもなく見納め 「ここだけの“改造車”」がアダに? 珍風景が生まれたワケ
桁下制限わずか2.7mのガードを専用の改造車両でくぐる神鉄バスの路線バスが、ルート変更のため、まもなく見納めとなります。
君影団地線はどんな路線?
君影団地線は、鈴蘭台駅から南西側にある鈴蘭台第5団地や住宅地などを結ぶバス路線です。
建設から50年が経過している鈴蘭台第5団地は、大都市の郊外でよく見られる公団住宅の建物が並んでいます。周辺は住宅街で、バスの車窓からは高台の丘に住宅がびっしりと並ぶ景色も見られます。団地とその周辺は駅から直線で1.5kmほどですが、地形の起伏が激しく、徒歩や自転車で駅に向かうには厳しいところです。
君影団地線は団地を一周して鈴蘭台駅に戻る系統に加え、団地を通って西鈴蘭台駅まで行く系統もあります。団地を一周して戻る路線の所要時間は15分程度です。
いずれの系統も、朝9時台までは駅の東側にある「鈴蘭台駅前」のバス停を発着しています。一方で10時以降は、先述のガードをくぐって駅の西側にある「ダイエー前」のバス停から発車しています。つまり出発のバス停が、時間帯によって「駅前」から「ダイエー前」に変わるだけ、というのが実態です。
ダイエー前バス停は狭く、バスはいったんバス停に前進して入り向きを整えた後、バックして乗車位置に停め、乗客を乗せています。
10月18日のダイヤ改正では、君影団地線のルートが変更され、高架下を通らずに鈴蘭台駅の南側にある一本松踏切を通る経路となります。これにより、ダイエー前と1つ隣の郵便局前のバス停が廃止されます。
このほか、運賃の支払い方法や乗車方法も変更されます。現在は「前乗り後ろ降り」方式で、運賃支払いは乗車時ですが、ダイヤ改正後は「後ろ乗り前降り」、降車時支払いに変わります。
Writer: 柴田東吾(鉄道趣味ライター)
1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。
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