航空火器は「弱い」が流行り? 「戦いは数」を地で行く最新爆弾・ミサイル事情
やはり「戦いは数」なのか…?
たとえば、ヨーロッパのミサイルメーカーであるMBDA社は、小型対地ミサイル「スピア(SPEAR)」を出展しています。
航空自衛隊の新鋭戦闘機F-35はステルス性を優先し胴体内部にのみ兵装を収容する場合、対地攻撃用の爆弾は、2000ポンド(907kg)GPS誘導爆弾ならば2発しか搭載することができません。これをMBDA「スピア」に変えた場合、搭載量は一気に4倍の8発になり、一度の作戦で多くの目標を攻撃できるようになります。
ほかにも、ロッキード・マーティン社(アメリカ)はヘリコプター搭載用の対地ミサイル「ヘルファイア」と互換性を保ちつつ、搭載量を4倍に増やすことが可能な「ダガー(DAGR)」を出展。「ヘルファイア」は陸上自衛隊のAH-64D「アパッチ・ロングボウ」戦闘ヘリコプターなどに搭載され、仮にAH-64Dが「ヘルファイア」のみを装備した場合、16発を携行し16目標を破壊できますが、これをすべて「ダガー」に置き換えると、その4倍の64発を携行し、64目標を破壊できることになります。
「戦い(を決めるの)は数だよ兄貴」——TVアニメ『機動戦士ガンダム』のとある登場人物はそう言いました。実際に敵を破壊するのは、爆薬を詰め込んだ爆弾やミサイルですから、既存の戦闘機やヘリコプターにこれらの「弱い兵器」を大量に搭載することで、実質的にそれまで以上の戦力を発揮できるのです。
いくら命中精度が上がっても一般市民を誤爆したら意味がありません。