「日本最南端の国際フェリー」年内就航へ! 石垣島―“台湾”の新航路 そもそもなぜそこにフェリーを?
「日本最南端の国際旅客フェリー航路」として誕生する新たな「日台航路」。2025年秋の就航などと報じられていましたが、いまどうなっているのでしょうか。
「赤字補填はしない」と市
石垣島と台湾を結ぶ航路は以前から構想があり、2016年前後にはワゴングループの東聯航運(ユニワゴン)が高速フェリー「ナッチャンレラ(麗娜輪)」で石垣―花蓮(台湾)航路を運航しようとしていました。もっとさかのぼると、名古屋から台湾へ向かう有村産業の「クルーズフェリー飛龍21」が寄港していたこともあります。

石垣市は航路開設の背景について、「リーディング産業である観光業のさらなる発展と、本市全体の持続的な経済成長につなげていくため」としています。
「2023年5月に新型コロナの感染症法上の取り扱いが5類感染症に移行されて以降、多くの観光客の姿が見られ、街に活気が戻ってきた。海外からの入域観光客数の大半を占める台湾からの誘客や企業誘致などを一層推進する必要があることから、『石垣・基隆定期航路フェリー開設に係る検討委員会』を設立した」(石垣市)
市は「石垣・基隆定期フェリー航路開設準備課」を立ち上げ、運営主体となる新法人(商船やいま)の設立から航路開設までをサポートする体制を確立しているといいます。
「やいま丸」の購入にあたっては「石垣港・基隆港定期航路開設支援事業」として国の沖縄離島活性化推進事業費補助金が活用されており、市の負担分に関しては全てふるさと納税で支出する予定です。一方で赤字補填や運営費の補助に関しては支出しないと説明しています。
収益面ではフェリーの強みを生かし、旅客輸送だけでなく、貨物を積載することにより安定的な運航を目指しています。石垣市は「検討委員会でのビジネスプランだけでなく、どのようなプランが費用対効果として最適なのか調査を行っている。また、貨物については、国内企業の誘致や新規航路開拓による貨物需要創出に関して台湾企業とも調整している」と回答しました。
このほか、同市独自の施策として、市民へのパスポート取得助成や観光客に対する地域クーポンの創設などの支援が計画されています。
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